Zero-Shotプロンプティングとは？マーケティングへの活用法も解説

2024年2月13日 2024年11月10日

谷田　朋貴

この記事でわかること

Zero-Shotプロンプティングとは
Zero-Shotプロンプティングのメリットやデメリット
Zero-Shotプロンプティングのマーケティング活用例

監修者プロフィール

谷田朋貴

一橋大学卒業後、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、Web専業広告代理店を経て、株式会社電通デジタルに入社。アカウントプランナーとして国内の大手クライアントに対し、運用型広告を中心にデジタル全体のプロモーション施策の戦略立案・実行に従事。2023年12月、株式会社アドカルを創業。

ChatGPTに興味を持って調べている中で、

「Zero-Shotプロンプティングって何？」
「Zero-Shotプロンプティングのメリットは？」
「Zero-Shotプロンプティングってマーケティングに活かせるの？」

といった疑問を持たれている方向けにZero-Shotプロンプティングの基本やマーケティングの活用例を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

ChatGPTとは？
プロンプトの2つの種類について解説
- ①Zero-Shotプロンプティング
- ②Few-shotプロンプティング
Zero-Shot プロンプティングのメリット
Zero-Shot プロンプティングのデメリット
Zero-Shot プロンプティングのマーケティング活用例
- 広告文の出力例
Zero-Shotプロンプティングに関するよくある質問
- Zero-Shotの”Shot”の意味について教えてください。
- Zero-Shotプロンプティングで適切な回答が出力されない場合はどうしたらいいですか？
まとめ

ChatGPTとは？

ChatGPT（チャットGPT）とは、ユーザーが入力した質問に対して、まるで人間のようにAIが回答するチャットサービスです。アメリカのOpenAI社が開発・提供しているサービスで、正式名称はChat Generative Pre-trained Transformer（文章生成モデル）になります。

2022年11月の公開以降、利用者が急増しています。

「GPT」という言語モデルがベースで、与えられたテキストの指示に対する自然言語の生成や、ネット上にある膨大な情報を学習して複雑な語彙や表現も理解できるのが特徴です。

プロンプトの2つの種類について解説

プロンプトとは、ユーザーが入力するChatGPTへの質問や指示のことを指します。

プロンプトは数十種類以上も開発されていますが、特に重要な2種類について解説します。

①Zero-Shotプロンプティング

Zero-Shotプロンプティングとは、予め情報をChatGPTに伝えずに、質問のみを直接提示するプロンプトを指します。

ChatGPTで使われているLLM（大規模言語モデル）膨大なデータを用いて学習するため、具体的な例示をしないZero-Shotの状況下でも適切な解答を提供することが可能です。

Zero-Shotプロンプトの例：

次の文章をですます調に書き換えてください。
文章：吾輩は猫である。名前はまだない。

出力文：

その文章をですます調に書き換えると以下のようになります：
文章：私は猫です。名前はまだありません。

このように、予め情報をChatGPTに伝えなくても、学習したデータから最適な情報を導き出します。

②Few-shotプロンプティング

Few-Shotプロンプティングとは、Zero-Shotプロンプティングとは異なり、具体例をChatGPTに伝えることでタスク実行までの方法を学習させるプロンプトを指します。

Few-Shotのように具体例を伝えると、ChatGPTはより質の高い回答を返してくれます。

Zero-Shotプロンプトの例：

広告→advertising
マーケティング→marketing
消費者→consumer
ターゲット→

出力文：

ターゲット→targeting

Zero-Shotプロンプティングについては、下記の記事で詳しく解説しております。

・Few-Shotプロンプティングとは？マーケティングへの活用法も解説

Zero-Shot プロンプティングのメリット

Zero-Shot プロンプティングのメリットとしては、GhatGPTと何度もチャットを行わなくても、端的に回答を生成してくれることです。

Few-Shotプロンプトと異なり、例文を提示しない分シンプルにプロンプトを生成することが可能です。

Zero-Shot プロンプティングのデメリット

一方で、例がない分複雑な質問に対してはユーザーが求めている回答が返ってこないというデメリットがあります。

下記に例をあげます。

Zero-Shotプロンプトの例：

マイケルはキッチンにいます。コップに卵を入れて、ダイニングまで運びます。コップを逆さまにし、風呂場まで歩きます。風呂場にコップを置き、外に出ます。卵はどこですか？

出力文：

卵は風呂場にあります。

正しい答えは「卵はダイニングにあります。」になるはずですが、誤った答えが出力されました。このようにZero-Shotプロンプティングを行った場合、複雑な質問に対しては、適切な回答が返ってこないケースがあります。

Zero-Shot プロンプティングのマーケティング活用例

Zero-Shotプロンプティングを用いた、マーケティングへの活用例を解説します。

例えばWeb広告を配信する際の広告文をZero-Shotプロンプティングで出力してみましょう。

広告文の出力例

Zero-Shotプロンプトの例：

五反田にある個室サウナのWeb広告を行うにあたり、広告文を考えてください。
24時間いつでも利用可能であることや価格が安いことをテーマに、3個考えてください。

出力文：

①五反田の個室サウナ、24時間営業でいつでも入店可能！手頃な価格で心身をリフレッシュしませんか？
②五反田の個室サウナ、夜遅くてもOK！リーズナブルな料金で日常の疲れを癒す至福の時間をお楽しみください。
③五反田の個室サウナ、安心の24時間営業！リーズナブルな価格設定で、忙しい毎日を癒しのひとときに変えませんか？

上記の通り、一定のクオリティの広告文は作成できるため、出力内容をベースに人がブラッシュアップを行えば実際に利用できる内容になります。