オウンドメディアの目的・目標設定と成果を最大化する戦略を解説
谷田 朋貴
「オウンドメディアの目標設定ってどうすればいいの？」
「オウンドメディアの戦略の立て方は？」
「オウンドメディアの成功事例を知りたい」
といった悩みを持たれている方向けに、下記の内容について解説します。
・オウンドメディアの目標設定方法
・オウンドメディアの成功を導く戦略の立て方
・オウンドメディアの成功事例
ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
オウンドメディアとは？
オウンドメディアとは、企業が自ら運営しコンテンツを発信するメディアのことで、その主な目的は製品やサービスの認知度向上、顧客との関係構築、ブランディングの強化などです。顧客に役立つ情報を提供することで、自社の商品やサービスへの理解を深め、最終的には購買やファンづくりにつなげることが可能です。
BtoBとBtoCでのオウンドメディアの使い方には違いがあり、BtoBでは顧客の課題解決をサポートするコンテンツが、BtoCでは消費者の関心を引く情報や製品・サービスの特徴を紹介するコンテンツが中心になります。また、オウンドメディアは、直接的な広告費を節約しつつ、長期的な顧客関係を構築するための資産となり得ます。
例えば、LITALICOが運営する「LITALICO発達ナビ」は、オウンドメディアを通じて特定の顧客層と深い関係を築き、最終的にサービスの成約に成功した具体的な事例です。このようにオウンドメディアは、顧客に価値ある情報を提供し、企業と顧客との間に信頼関係を築く重要なツールとなります。
オウンドメディアの運用には、自由な制作・管理、広告費の節約、コンテンツの資産化、戦略的なマーケティング実施など多くのメリットがあります。これらのメリットを活かし、効果的にオウンドメディアを運用することで、企業はブランド価値を高め、競合他社との差別化を図ることができるでしょう。
オウンドメディアの目標設定方法
長期的な目標と期限の設定
オウンドメディアの成果は短期間で出るものではありません。そのため、リード獲得やブランディングなどの長期的な目標を設定し、それを達成するための期限も明確にすることが大切です。目標を数値化し、進捗を定期的にチェックすることで、運営の方向性を調整していきます。
競合他社のリサーチ
自社のオウンドメディアが市場内でどのような位置づけにあるのか、そしてどのように差別化できるのかを理解するためには、競合他社のリサーチが不可欠です。成功しているオウンドメディアの戦略やコンテンツ、ユーザーエンゲージメントなどを分析することで、有効な戦略を練るヒントが得られます。
KPIツリーの作成
目標達成のために必要な行動を可視化するために、KPI（重要業績評価指標）ツリーを作成します。これは、大目標（KGI）を達成するための具体的なステップを示し、各ステップの達成度を測るための指標を設定する方法です。
オウンドメディアのKPI例には下記があります。目的に応じて適切なKPIを選びましょう。
| オウンドメディアの目的 | KPI例 |
| 企業やサービスの認知拡大 | PV数、SNSのシェア数など |
| リード獲得 | 問い合わせ数、資料請求数、セミナー申込数、ホワイトペーパーDL数 |
| 採用 | エントリー数、問い合わせ数、実採用数 |
| 商品やサービスの購入拡大 | 販売数、売上、利益 |
オウンドメディアのKPIについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
オウンドメディアの成功を左右する指標とは？ KPIツリーの作り方も解説
目標達成のための具体的なアクションプラン
目標を設定したら、それを達成するための具体的なアクションプランを立てます。例えば、リード獲得を目標とする場合は、どのようなコンテンツをどの頻度で配信するのか、どのようなプロモーションを行うのかなど、詳細な計画が必要になります。
効果測定と改善
設定したKPIに基づいて定期的に効果測定を行い、目標達成に向けた改善点を見つけ出します。これには、Google Analyticsなどのツールを活用して、ユーザー行動やコンバージョンのトラッキングが役立ちます。
オウンドメディアを成功させるための戦略
オウンドメディアの成功への戦略では、「ユーザーニーズを満たすコンテンツ制作」「コンテンツの質と量」「Googleアナリティクスの活用」が重要なポイントになります。以下では、これらの要素を踏まえた成功への戦略を紹介します。
ユーザーニーズを満たすコンテンツ制作
オウンドメディアを成功させる鍵は、ユーザーのニーズを満たすことにあります。
ユーザーに価値ある情報を提供することによって、サイトの信頼を築き、製品やサービスの魅力を高め、ブランドイメージを向上させることができます。
流入ユーザー数やコンバージョン率ばかりに注目してしまうと、本来の目的を見失い、結果として効果の低いコンテンツを大量に生み出すことになりかねません。質の高いコンテンツの再作成は可能ですが、それには多大な時間と費用がかかり、非効率的です。
数字だけでは把握しきれないユーザーのニーズを理解するためには、アンケート調査や顧客へのヒアリングを行うことを推奨します。
コンテンツの質と量
オウンドメディアの成功は、多くの高品質なコンテンツの提供によって顧客の信頼と興味を獲得することが重要です。
例えば下記のようなコンテンツをユーザーのニーズを満たす内容で網羅的に制作するとよいでしょう。
CREATION（オーダーメイドのオリジナルコンテンツ）
企業が伝えたい視点から制作されたコンテンツです。ターゲットにとって有益で関連性の高い情報を提供し、ブランドの専門知識を示すことで、信頼性と関心を高めます。
COLLABORATION（他メディアや有識者との共同制作コンテンツ）
他の専門家やメディアとの協力によって制作されるコンテンツで、新たな視点や情報を提供します。
CURATION（様々なメディアからのコンテンツキュレーション）
他メディアが制作した高品質なコンテンツを選定し、自社メディアで共有することです。これにより、多様な情報源からの信頼性の高い情報を提供し、読者に価値を提供します。
GoogleAnalyticsの活用
GoogleAnalyticsスは、オウンドメディアのパフォーマンスを測定し、改善点を見つけるための強力なツールです。以下の活用法が効果的です。
訪問者の行動分析
どのコンテンツが最も関心を集めているか、訪問者がサイト内でどのように行動しているかを分析し、コンテンツ戦略を最適化します。
コンバージョンの追跡
特定のアクション（例えば、問い合わせフォームの送信、商品購入など）をコンバージョンとして設定し、どのコンテンツがコンバージョンに貢献しているかを分析します。
トラフィック元の分析
訪問者がどのチャネル（検索エンジン、SNS、直接訪問など）から来ているかを理解し、マーケティング戦略を調整します。
失敗してしまうオウンドメディアの特徴6つ
オウンドメディアの失敗を避け、成功に導くためには、いくつかのポイントに注意を払う必要があります。以下では、失敗するオウンドメディアの特徴とその対策について解説します。
①目的やゴールの不明確さ
成功するオウンドメディアは明確な目標を持ってスタートします。高すぎる目標ではなく、運営初期から達成可能な、具体的な目標設定が重要です。SEO対策や記事数の目標など、初期段階で努力で達成できる目標から始めましょう。
②運営体制の不備
質の高いコンテンツを継続的に提供するためには、運営体制の整備が必須です。責任者の指定、コンテンツ制作の役割分担、外部リソースの活用など、運営業務を明確に分担し、適切な体制を構築することが大切です。
③SNSとの連携不足
オウンドメディアの認知度向上には、SNSを効果的に活用することが不可欠です。コンテンツにシェアボタンを設置し、SNSでの積極的な発信を行うことで、より多くのユーザーにリーチできます。
④自社宣伝の過多
ユーザーは自身のニーズや問題解決のためにオウンドメディアを訪れます。自社の製品やサービスの宣伝ばかりではなく、ユーザーが求める有益な情報を提供することが重要です。
⑤導線設計の不備
サイト内でユーザーが容易に情報を見つけられるよう、明確な導線設計が必要です。関連記事の表示やCTA（コール・トゥ・アクション）の配置に注意し、ユーザーが次の行動に移りやすい設計を心掛けましょう。
⑥ペルソナ設定の不十分さ
オウンドメディアのターゲットとなる読者像（ペルソナ）を正確に設定し、そのニーズに応えるコンテンツを制作することが成功の鍵です。ペルソナの設定を見直し、現実に即したターゲットに基づくコンテンツを提供しましょう。
ターゲットの明確化やペルソナ設定の重要性については下記の記事で解説しています。
【マーケ担当者必見】Web集客で最も大事なのは「ターゲット設定」である
オウンドメディア成功事例4選
オウンドメディアの成功事例は、さまざまな目的で運用されており、その成功の秘訣は多岐にわたります。ここでは、特に目立った成功事例とその要因を紹介します。
mercan（株式会社メルカリ）
メルカリは、採用向けオウンドメディア「mercan」を通じて、自社を志望する就活生向けに情報を提供しています。これにより、採用のミスマッチを減らし、メルカリへの強い関心を持った応募者を獲得しています。この成功は、ありのままの姿を発信し、更新頻度を維持した結果と言えます。
これらの事例から、オウンドメディアの成功には明確な目的設定、ターゲットへの深い理解、そして継続的な努力と改善が不可欠であることがわかります。自社のオウンドメディア運用にあたっては、これらの要素を踏まえた戦略を立て、実行していくことが重要です。
LIGブログ（株式会社LIG）
LIGブログは、デザインやマーケティング、ビジネスに関する知識を共有するBtoB向けのオウンドメディアです。ユーモアを交えた記事や、実用的な情報を提供することで知られ、訪問者のエンゲージメントとリピート訪問を促進しています。LIGブログは、リード獲得だけでなく、ブランドの認知度向上にも大きく貢献しています。
キャリアハック（CAREER HACK）
CAREER HACKは、エン・ジャパンが運営するオウンドメディアで、キャリアアップや働き方に関する情報を提供しています。ユーザーに役立つ情報を提供することで、企業ブランドの価値を高め、採用活動にも積極的に活用しています
北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店のオウンドメディアは、北欧のライフスタイルやデザインに関するコンテンツを中心に提供しています。商品の販売だけでなく、北欧文化の紹介を通じて、顧客との深い関係を築き上げています。このアプローチにより、ブランドのファンを増やし、継続的な顧客関係を構築しています。
まとめ
オウンドメディアの目標設定の方法や成功のための戦略の立て方、成功事例について解説しました。
適切な目標設定とそれを達成するための戦略立案により、オウンドメディアの成功を目指しましょう。
株式会社アドカルは主にオウンドメディアの記事制作に強みを持ったマーケティング支援企業です。
貴社のマーケティングパートナーとして、少数精鋭で担当させていただくので、
「オウンドメディアを制作してWeb集客に活かしたい」
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オウンドメディアの外注選定のメリットや費用感、外注選定のポイントについては、下記の記事をご覧ください。
