マッチタイプを徹底解説!3種類の違いと正しい使い分け方とは?

 
 

この記事でわかること

  • リスティング広告のマッチタイプの仕組みと種類
  • マッチタイプの適切な使い分け
  • 画像付きで解説、マッチタイプの設定手順
谷田 朋貴

監修者プロフィール

谷田 朋貴

一橋大学卒業後、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、Web専業広告代理店を経て、株式会社電通デジタルに入社。アカウントプランナーとして国内の大手クライアントに対し、運用型広告を中心にデジタル全体のプロモーション施策の戦略立案・実行に従事。2023年12月、株式会社アドカルを創業。

マッチタイプとは、リスティング広告を表示する際に表示範囲を設定できる機能です。マッチタイプは下記の3種類あり、それぞれ拡張範囲が異なります。

マッチタイプ仕様
完全一致登録したキーワードと完全に同じ意味の検索語句に、広告を表示させる
フレーズ一致登録したキーワードと同じ意味の検索語句を含む場合に、広告を表示させる
インテントマッチ(旧:部分一致)登録したキーワードと検索語句の意味が異なっても、関連性があれば広告を表示させる

マッチタイプの設定を誤ると、想定していなかったユーザーに広告が出て無駄なクリックが発生してしまったり、アプローチしたいユーザーの一部にしか広告が届かなかったりという損失が起きてしまいます。

リスティング広告の成果を最大化するため、マッチタイプの設定をしっかりと行うことが重要です。

本記事では、リスティング広告のマッチタイプに関する下記の内容について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

目次

マッチタイプには下記の通り、3種類存在します。

登録するキーワードそれぞれに対して、マッチタイプを選ぶ必要があります。

マッチタイプ仕様
完全一致登録したキーワードと完全に同じ意味の検索語句に、広告を表示させる
フレーズ一致登録したキーワードと同じ意味の検索語句を含む場合に、広告を表示させる
インテントマッチ(旧:部分一致)登録したキーワードと検索語句の意味が異なっても、関連性があれば広告を表示させる

表示範囲のイメージとしては下記をご覧ください。

それでは、それぞれのマッチタイプについて詳細をお話していきます。

※検索語句(検索クエリ)はとキーワードは似ていますが、実は違いがあります。検索語句はユーザーが実際に検索エンジンに入力する言葉や文字列のことを指します。一方で、キーワードはユーザーのリスティング広告を表示するために設定される語句のことを指します。

完全一致


完全一致は設定したキーワードと「完全に同じ意味の語句で検索された場合」に広告を表示できるマッチタイプになります。

例えば「青汁 通販」というキーワードを完全一致で登録した場合、下記のように「完全に同じ意味の語句で検索された場合」は広告表示がされます。

カテゴリユーザーが検索した際に広告表示する検索語句
表記ゆれあおじる 通販、青汁通販、青汁の通販、青じる つうはん
語順違い通販 青汁
誤字脱字など青汁 通半

このように「完全に同じ意味の語句で検索された場合」にのみ、広告表示をするので、コンバージョンが積み増せるキーワードが見つかった場合はキーワードのマッチタイプを「完全一致」に設定することを推奨します。

注意点としては、”完全に”同じ意味の語句で検索された場合に広告表示されるので、「安い 青汁 通販」等の検索語句には広告配信されません。ユーザーの検索意図として「価格が安い青汁の通販」を探しているので、「青汁 通販」とは同じ意味ではないと判断されて、広告表示されないので注意しましょう。

フレーズ一致


フレーズ一致は、同じ意味の検索語句をユーザーが入力した際に広告配信ができます。

例えば「青汁 通販」というキーワードをフレーズ一致で登録した場合、下記のような広告表示のイメージになります。

カテゴリユーザーが検索した際に広告表示する検索語句
同じ意味青汁 ネット購入、青汁 購入、青汁 買いたい、安い 青汁 通販

完全一致と比べると、完全に意味が一致していなくても広告表示がされるので、設定したキーワード周辺の検索語句にアプローチすることが可能です。リスティング広告を新たに開始する場合は、基本的には「フレーズ一致」で開始することがおすすめです。(理由については、記事後半で解説します。)

インテントマッチ(旧:部分一致)


インテントマッチ(旧:部分一致)はキーワードと関連した検索語句に広く広告表示ができるマッチタイプです。

例えば「青汁 通販」というキーワードを部分一致で登録した場合、下記のような広告表示のイメージになります。

カテゴリユーザーが検索した際に広告表示する検索語句
”青汁”に関連する語句青汁 安い、青汁 店舗、青汁 まずい
”通販”に関連する語句青汁 購入、青汁 定期、青汁 買いたい 

上記以外にも予想だにしなかった検索語句まで表示範囲が拡張するリスクもあります。

一方で獲得につながるキーワードを発掘できる可能性も高まるので、主にとにかくコンバージョンを拡大していきたいという目的での実施や現状設定しているキーワードのマッチタイプだと全く検索されないという状況であれば、インテントマッチ(旧:部分一致)の設定はおすすめです。

また、インテントマッチ(旧:部分一致)は一見リスクの高いマッチタイプのように思えますが、Google広告の部分一致は下記の通り、フレーズ一致や完全一致と比べて使用するシグナルが多いため、親和性の高い検索語句に配信できるように精度が高くなっています。

部分一致 シグナル

※引用:『部分一致が進化?パフォーマンス部分一致とは。検索広告の最新トレンドをおさえよう! | 株式会社PLAN-B』

以上の通り、マッチタイプは3種類になります。過去「絞り込み部分一致」というマッチタイプも別で存在しておりましたが、現状は廃止されているのでご紹介したマッチタイプのみ覚えていただけますと幸いです。


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ここではマッチタイプの適切な使い分けについて解説します。

1.コンバージョン数の拡大が目的の場合は全てのマッチタイプを活用

まずは、リスティングを実施するにあたって、自社の目的・目標や戦略を設定しましょう。

実施の目的がコンバージョン数の拡大であれば、全てのマッチタイプを利用しましょう。

フレーズ一致と完全一致のみの利用ですと、広告配信を行う検索語句が絞られるため、費用対効果は良くなりますがコンバージョンの母数が少なくなってしまう可能性はあります。インテントマッチのマッチタイプも活用することで、想像だにしなかった検索語句にも広告配信を行い、コンバージョンの拡大を図ることができます。

ただし、部分一致はフレーズ一致や完全一致と比べると、獲得単価(CPA)は高くなる傾向にあるため、進捗を見てマッチタイプを調整しましょう。

2.コンバージョン単価抑制が目的の場合は完全一致、フレーズ一致を活用

コンバージョン単価を抑えて、効率よくコンバージョンを獲得していきたい場合は、完全一致とフレーズ一致を併用しましょう。

狙った検索語句以外では広告配信されにくくなるので、費用対効果を押さえてコンバージョン確度が高いユーザーのみにアプローチすることが可能になります。

ただし、完全一致やフレーズ一致のみの活用ですと、コンバージョン数が頭打ちになる可能性があるため、ご予算が十分にある場合はリスティング広告の目的や戦略を見直しつつ、部分一致の活用を検討しましょう。

それでは、Google広告・Yahoo!広告・Microsoft広告の媒体別にマッチタイプの設定方法を解説します。

Google広告

まず、Google広告での設定方法を解説してきます。

Google広告では管理画面でマッチタイプを設定する際に、キーワードに記号を付与する必要があります。

マッチタイプ記号
完全一致[][リスティング広告]
フレーズ一致“”“リスティング広告”
インテントマッチ(旧:部分一致)記号の付与は必要なしリスティング広告

下記にて直接Google広告の管理画面でキーワードを登録する方法をご説明いたします。


①キーワードを追加する広告グループを選択し、「キーワード」の中の「検索キーワード」をクリック
②実際にキーワードを入力
③保存をクリック

設定したいマッチタイプに合わせて記号を忘れずに登録しましょう。

Yahoo!広告

Yahoo!はGoogle広告とは異なり、マッチタイプを選んで設定する形式になります。


①キーワードを追加したい広告グループを選択し、「キーワード」をクリック
②キーワードを入力
③選択項目の中からマッチタイプを選ぶ
⑤「作成」をクリック

Microsoft広告


①キーワードを追加する広告グループを選択し、「キーワード」をクリック
②実際にキーワードを入力
③保存をクリック

記号の設定方法などGoogleと仕様は同じなので、設定したいマッチタイプに合わせて記号を忘れずに登録しましょう。

同一キーワードで複数マッチタイプを設定した場合は、使用キーワードがルールにより決定

1.検索語句と同じ完全一致キーワード

最優先で検索語句と同一の完全一致キーワードが使用されます。

2.スペル修正された検索語句と同一の完全一致キーワード

スペル修正された検索語句と完全一致キーワードが同一とみなされる場合は、このキーワードが優先されます。

検索結果で「次の検索結果を表示しています」というメッセージが表示されるケースが分かり良い例です。

3.検索語句と同一のフレーズ一致キーワードまたはインテントマッチキーワード

検索語句と同一または、類似するキーワードがある場合は、広告ランクの最も高いキーワードが使用されます。

フレーズ一致はインテントマッチより優先順位が高く使用されます。

※広告ランク:入札価格や広告の品質などで決まる、検索結果画面で広告をどの位置に表示するかを決める指標。

4.スペル修正された検索語句と同一のフレーズ一致キーワードまたはインテントマッチキーワード

スペル修正された検索語句と同一のフレーズ一致キーワードまたは部分一致キーワードが使用されます。

5.関連性と広告ランクの最適な組み合わせを含むキーワード

検索語句と同一のキーワードが無く、複数のキーワードがマッチングする可能性があると、広告ランクと最も関連性の高いキーワードを元に広告表示に使用されます。
関連性は検索語句の意味や広告グループ内のすべてのキーワードの意味、ランディングページの要素を元に判断されます。

除外キーワードと配信キーワードのマッチタイプは拡張範囲が異なる

注意すべき点として、配信するキーワードと除外キーワードのマッチタイプは拡張範囲が異なります。

具体的に比較すると下記の通りです。

マッチタイプ除外キーワード配信キーワード
完全一致登録したキーワードと全く同じ検索語句を除外登録したキーワードと完全に同じ意味の語句で検索された場合に、広告を表示させる
フレーズ一致登録したキーワードと同じ語句が同じ語順で含まれている検索語句を除外登録したキーワードと同じ意味の語句を含む場合に、広告を表示させる
インテントマッチ(旧:部分一致)語順は関係なく、登録したキーワードの単語が含まれている検索語句を除外登録したキーワードと意味が異なっても、関連性があれば広告を表示させる

混同しやすいポイントなので、違いを明確に理解しておきましょう。

最初はフレーズ一致で始めて、獲得の取れるキーワードは完全一致に切り替えて、インテントマッチも追加する

筆者の実績に基づく、広告開始時のおすすめの運用方法は下記の通りです。特に最初はCPA(獲得単価)を守りながら、コンバージョンをとっていきたい少額予算のお客様におすすめです。

①すべてのキーワードを「フレーズ一致」で登録する
②コンバージョンが獲得できるキーワードが見つかったら、該当のキーワードのマッチタイプを「完全一致」に切り替え

③コンバージョンが獲得できるキーワードを「インテントマッチ」で登録する。

最初はリスクをとらずにフレーズ一致で配信し、確実に獲得できる検索語句が見つかったら完全一致で効率の良い獲得を目指しつつ、インテントマッチも登録して件数拡大を狙うというおすすめの手法になるので、自社で運用しようと考えている方も是非ご参考にしてみてください。

実際に弊社では②と③の対応を行った結果、①の時に比べてCPAが改善し、CV数も伸びた実績もございます。

運用についてお悩みの方は是非無料でご相談にのりますので、お問い合わせ頂ければ幸いです。

Q.Google、Yahoo!など複数の媒体でリスティング広告を配信する際に、マッチタイプは同じ設定をした方がよいですか?

A.複数媒体を運用する際は基本的には同一の設定で問題ないです。ただ一部媒体によっては、成果に差異が出てくる可能性もあるので、進捗をみながらマッチタイプを調整していきましょう。

Q.Google社はインテントマッチを推奨しているという話を聞いたのですが、実際どうですか?

A.獲得につながるキーワードを発掘したい、ご予算は多大にありコンバージョン数をとにかく拡大したいという場合は、インテントマッチも積極的に取り入れるべきです。ただし、想定外の検索語句にも配信が出るリスクはあるので、お悩みの際は一度弊社にご相談いただけますと幸いです。

Q.キーワードの選定方法について知りたいです

本記事ではリスティングの広告のマッチタイプについて解説しました。

マッチタイプを適切に設定することによって、リスティング広告の成果を最大化することができます。

達成したい目的・目標を改めて踏まえた上で、最適なマッチタイプを設定しましょう。広告配信後の柔軟な調整も必須です。


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