リスティング広告の費用相場|予算の決め方と費用対効果を高める方法

 
 

この記事でわかること

  • リスティング広告の費用相場
  • リスティング広告の予算の決め方
  • リスティング広告の費用対効果を高める方法
谷田 朋貴

監修者プロフィール

谷田 朋貴

一橋大学卒業後、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、Web専業広告代理店を経て、株式会社電通デジタルに入社。アカウントプランナーとして国内の大手クライアントに対し、運用型広告を中心にデジタル全体のプロモーション施策の戦略立案・実行に従事。2023年12月、株式会社アドカルを創業。

リスティング広告は最低出稿の金額が決まっていないため、自由に配信金額を定めることができます。

本記事では、リスティング広告の費用相場や予算の目安、費用対効果を高める方法について解説します。

目次

リスティング広告の費用は「クリック課金」と「オークション制」で決定されます。具体的にそれぞれの仕組みを解説します。

クリック課金

リスティング広告はクリック課金型になります。ユーザーに1クリックされると課金される仕組みです。

オークション制|入札額を設定する

リスティング広告の配信はオークション制で決定されます。

配信キーワード毎に広告1クリックに対する入札価格の上限を設定し、オークションに勝利した入札金額が高い広告主がページ上位に掲載できます。

「実際の入札金額」は1つ下の掲載順位の競合の入札金額によって決まるため、設定した「入札価格の上限」とは異なる金額になります。「実際の入札金額」が広告をクリックした際の課金額となります。

掲載順位は入札価格と広告の品質で決定されます。そのため、入札単価の上限を高くすればするほど、上位に掲載される訳ではなく、広告がユーザーのニーズに適しているかという広告の品質も加味されます。

リスティング広告費用の例

以上をまとめると、リスティング広告費用はクリック課金 とオークション制で決まります。

入札価格の上限を1クリック320円に設定して、オークションの結果、実際の入札金額が300円で決まった場合を例として考えます。

月間2,000回検索されてるキーワードを10キーワード分配信する場合、クリック率がおおよそ5%だとすると、2000回×5%×300円×10種類=30万円/月がリスティング広告の予算になります。

リスティング広告の費用相場は、ひと月あたり20~30万円程度でスタートするのが一般的です。広告成果が出ている場合、中小企業では月100万円~300万円程度、大手企業では月1,000万円以上の予算を当てているケースが多いです。

広告代理店に運用代行を依頼する場合、加えて20%程度の手数料を払うことになります。

ここではリスティング広告予算の決め方の手順を3ステップに分けて解説します。

Step1.目標CPA,目標CV数を一旦決める

目標とするCPAとCV数をざっくりで構わないので一旦決めましょう。

目標のCPAは、商品やサービスの「販売価格」から「広告費以外のコスト」、「目標の利益額」を差し引くことで算出できます。

例えば1個5,000円の商品から1,000円の利益を目標とする場合、下記の式から目標CPAは2,000円となります。

5,000円(販売価格)ー2,000円(広告費以外のコスト)ー1,000円(目標の利益額) = 2,000円(目標CPA)

目標CV数は、日単位や月単位で「獲得したいCV数」を基準に決めます。

Step2.業界のクリック単価の相場・月間検索ボリュームを調査

次に業界のクリック単価の相場やキーワードの検索ボリュームをGoogleのキーワードプランナーを用いて算出します。Googleキーワードプランナーで実際にキーワードを調べると、下記のようにクリック単価や検索ボリュームが表示されます。

ただし、この方法は初心者の方には難しいので広告代理店に相談するのがよいです。弊社でも無料でお調べすることが可能なので、お気軽にご相談ください。

Step3.以上を踏まえて、目標CPA,CV数を最終決定する

Step1で設定した目標CPA,目標CV数が現実的な数値なのか、Step2で算出したクリック単価の相場・月間検索ボリュームを元に最終決定します。

最終決定した目標CPA×目標CV数がリスティング広告の予算になります。

ここまで、リスティング広告の予算の決め方を解説しましたが、実際に配信する際は決定した予算を最初から一気に活用する必要はありません。

小さくテストをして成果が出ればご予算を増額、成果が悪ければ改善施策を実施して再度テストを行い、成果がよくなったタイミングで増額するという戦略で進めると、小さいリスクで大きなリターンを見込めます。

リスティング広告は最低出稿額なし|少額予算でテスト可能

リスティング広告は最低出稿金額が無いため、少額予算からでもテスト配信することができます。

初めてリスティング広告を実施する方は、まずは20万円~30万円程度の予算で始めてみましょう。実際に広告を配信をしてみて、費用対効果が良いかをテストします。

広告の費用対効果のテストに適切な額を設定する

目標CPA、目標CV数、検索ボリューム、CPCをそれぞれ総合的に判断して、費用対効果のテストに適切な額を設定しましょう。Googleのキーワードプランナーを使って、CPA・CV数の当たりをつけつつ、自社の経営方針や戦略と照らし合わせて、目指すCPA・CV数を決めます。

一旦20~30万円の予算でスタートするのがおすすめ

実際には、業界の相場の把握やデータ分析などを行って予算を決めるべきですが、このプロセスは非常に難しく、専門知識も必要です。実際のところ、多くの企業様の場合は20~30万円程度の予算でリスティング広告のテストには十分です。

リスティング広告の実施にあたり、テストを行いながら改善サイクルを回していくことが重要です。具体的な手順を解説します。

戦略を練り直す撤退ラインを事前に設定

CPAの実績を踏まえると赤字になってしまう状況が撤退ラインになります。リスティング広告は一時停止が可能なので、撤退ラインに到達した場合は一度停止して、戦略の練り直しや改善施策を実行しましょう。

ただし、リスティング広告を始めた直後はGoogleがデータを収集して学習している期間なので、効果が安定しない可能性が高いです。開始から1週間程度は様子を見て決めましょう。

成果が見合うまで改善を繰り返す

広告の成果が目標値に到達するように、改善を繰り返しましょう。広告のデータを分析して、悪くなっている要因を把握し、適切な打ち手を実行することが重要です。具体的な分析や改善の方法は下記の記事で解説しております。

良い成果が出たら一気に予算を増額

成果が目標値に達したら配信を伸ばしてさらにCV数を伸ばせるように、予算を増額しましょう。

ただし、リスティング広告は予算を増やすとCPAが上昇する傾向にあるため、進捗を見ながら調整しましょう。

ここでは、リスティング広告の費用対効果を高める方法6選を詳しく解説します。

1.広告ランクを向上させる

広告ランクを向上させると費用対効果が高まります。
広告ランクはリスティング広告の掲載順位を決める重要な要素で、広告ランクが上がると低い入札価格でも上位に表示することができます。

順位が上位になると広告のクリック率やクリック数が伸長します。広告ランクの向上は特に広告の品質を高めることが必要です。

広告の品質は、Googleのリスティング広告がユーザーに提供する価値の度合いを指します。

これは、広告がユーザーの検索クエリや意図にどれだけ適合しているか、提供されるランディングページの体験がどれだけ質が高いか、そして広告自体がどれだけ関連性があるかによって決定されます。同じ入札単価の場合、広告の品質が高い広告がより上位に表示される仕組みになっています。 

2.獲得につながるキーワードを追加する

また、広告を配信した検索語句の中から、獲得につながりそうなキーワードをピックアップして追加しましょう。

3.除外キーワードを設定する

除外キーワード

4.マッチタイプを絞る

マッチタイプはリスティング広告を表示する際に表示範囲を設定できる機能です。マッチタイプは完全一致、フレーズ一致、部分一致の3種類あります。

マッチタイプ


費用対効果を高めるためには、マッチタイプを有効活用しましょう。

少額予算でリスティング広告を開始する際は、まずは全てのキーワードを「フレーズ一致」で登録して、コンバージョンが多く獲得できたキーワードは「完全一致」に絞って費用対効果を高めましょう。

5.ランディングページの改善

ユーザーが広告をクリックした後に訪れるランディングページの質も、費用対効果に大きな影響を与えます。ランディングページは、広告で訴求した内容と一致し、ユーザーの期待を裏切らない内容である必要があります。

費用対効果を高める上で、分かりやすいナビゲーションやユーザーのニーズに合ったコンテンツ内容への改善が重要です。

6.広告代理店に相談する

自社運用で費用対効果の改善が難しい場合は、広告代理店に相談しましょう。リスティング広告のプロである代理店に相談することで、効果改善を見込めます。

運用代行の手数料やコンサル料は必要ですが、それを上回るパフォーマンスが出る可能性が高いので積極的に相談を検討しましょう。


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実際にリスティング広告を配信した後に、当初の予算と合わないケースも出てきます。その際の対応を詳しく解説します。

策定した予算よりも配信が伸びそうな場合

1.優先度が高いキーワードに配信を絞る

獲得の可能性がある全てのキーワードに配信をすると、当初の予算よりも配信量が多くなるケースがあります。

その場合は、自社商品やサービスの購入により近いキーワードや実際にコンバージョンが取れているキーワードに絞りましょう。

2.予算増額または他施策からの予算移行を検討する

前述の通り、広告費を踏まえても十分に粗利が出る場合は予算の増額も検討しましょう。他に集客施策を実施していて、リスティング広告の方が費用対効果が高い場合は、他施策からの予算移行も有効です。

1. キーワードのマッチタイプを広げる

可能性のあるキーワードは全て登録したが配信が伸びないという場合は、マッチタイプを広げましょう。

具体的には部分一致に切り替えるのがおすすめです。部分一致は登録したキーワードに関連する検索語句すべてに広告が表示されるので、配信量が伸びやすくなります。

部分一致


ただし、意図せぬ検索語句に広告が表示される可能性もあるので、進捗を見ながらキーワードの除外対応を行いましょう。

2. 新規のキーワードを追加する

検索語句のデータを見て、獲得につながりそうなキーワードを追加することも重要です。

3. 入札単価を引き上げる

入札単価を引き上げると配信ボリュームが伸びます。費用対効果を見ながら慎重に行いましょう。

自動入札を利用している場合は、目標コンバージョン単価などの目標値を引き上げると配信量が伸びることがあります。

4.動的検索広告を導入する

動的検索広告の仕組み


動的検索広告は、サイトを設定すると、そのサイトページのコンテンツに基づいて、ユーザーの検索語句に関連した広告を自動で作成・配信してくれるメニューになります。

これにより、考えもしなかったキーワードを発掘し、配信量を伸ばすことが可能です。

最後に、リスティング広告の予算を誰が運用するかを決める必要があります。代理店に運用代行を依頼する場合は手数料が発生するので、自社内で運用する場合と比較して、コストパフォーマンスが良い方を選びましょう。

代理店運用と自社運用の違い

代理店運用自社運用
メリット・最新の知見を運用に反映
・自社内のリソース削減
・業界の情報が入手できる
・代理店への手数料がかからない
・社内にノウハウが蓄積されやすい
・運用に関するコミュニケーションがとりやすい
デメリット・代理店への手数料がかかる
・社内にノウハウが蓄積されにくい
・施策実施に時間がかかるケースがある
・最新の情報が入手しにくい
・自社内のリソースがかかる

自社運用の場合、広告運用に詳しい担当者がいないと知見が少ない状態で始めることになるため、成果を出しにくいケースが多いです。まずは広告代理店に運用代行を依頼し、成果を出しながら、運用や改善のポイントを掴んでいくことを推奨します。自社運用を行う場合は、運用が軌道に乗り、社内の体制が整った後に徐々に移行していくのが良いです。

代理店運用の料金相場

料金体系手数料特徴
マージン型広告配信費の15~25%程度の手数料が発生配信費に応じて手数料も上昇。
定額型広告費に関わらず一定の料金が発生対応内容によって費用が変わるケースが多い。
成果報酬型成果に応じて料金が変動成果1件あたりの手数料で契約。

代理店運用の場合、各社の料金体系に応じて手数料が発生します。ただし、前述のとおり、代理店運用はプロの知見を活かして高い成果を出せることが期待できるので、手数料以上のリターンを見込める可能性が高いです。

社内のリソースを抑えながら運用が可能なので、代理店を上手く活用し、成果を最大化しましょう。

リスティング広告の費用相場や予算の決め方、費用対効果を高める方法について解説しました。

また、広告代理店を上手く活用しながら費用対効果を高めていきましょう。


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Q.リスティング広告費用の決め方を教えて欲しいです

Q.リスティング広告の費用対効果を高めるにはどうすればいいでしょうか?

Q.広告代理店に運用代行を依頼する場合の費用相場を知りたいです

A.各社の料金体系によって異なりますが、マージン型の場合は広告配信費用の15%~25%程度が相場です。