インテントマッチ(部分一致)・フレーズ一致の違いを詳しく解説【状況別の事例付き】
この記事でわかること
- インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の基本的な違い
- インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致のメリット・デメリット
- インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の使い分け方
リスティング広告のマッチタイプは完全一致、フレーズ一致、インテントマッチ(旧:部分一致)の3種類があります。このうち、完全一致は理解しやすいですが、フレーズ一致とインテントマッチは機能の違いがわかりづらいですよね。
本記事では、リスティング広告の初心者の方向けにフレーズ一致とインテントマッチの違いや、メリット・デメリット、効果的な使い分け方を分かりやすく解説します。
※完全一致の仕組みは『完全一致とは?リスティング広告での使い方や記号について詳しく解説』の記事をご確認ください
目次
インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の基本的な違いを理解しよう
インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の違いはキーワードの拡張性にあります。リスティング広告は設定したキーワードがユーザーが検索する語句に反応して、配信が行われますが、反応する検索語句の幅広さに違いがあります。
ここではその違いを詳しく解説します。
インテントマッチ(旧:部分一致)の特徴|関連した検索語句に広告を出す
インテントマッチ(旧:部分一致)はキーワードと関連した検索語句に広く広告表示ができるマッチタイプです。
例えば「青汁 通販」というキーワードを部分一致で登録した場合、下記のような広告表示になります。
カテゴリ | ユーザーが検索した際に広告表示する検索語句 |
”青汁”に関連する語句 | 青汁 安い、青汁 店舗、青汁 まずい |
”通販”に関連する語句 | 青汁 購入、青汁 定期、青汁 買いたい |
上記以外にも予想だにしなかった検索語句まで表示範囲が拡張するリスクもあります。
一方で獲得につながるキーワードを発掘できる可能性も高まるので、とにかく獲得数を拡大していきたいという目的での実施や現状設定しているマッチタイプだと全く広告が表示されない状況であれば、インテントマッチの設定を推奨します。
詳しくは『部分一致とは?リスティング広告での使い方や記号について詳しく解説』の記事でも解説しております。
Google公式の『部分一致のご利用ガイド』も合わせてご覧ください。
フレーズ一致の特徴|同じ意味の検索語句に広告を出す
フレーズ一致は、同じ意味の検索語句をユーザーが入力した際に広告配信します。
例えば「青汁 通販」というキーワードをフレーズ一致で登録した場合、下記のように広告表示されます。
カテゴリ | ユーザーが検索した際に広告表示する検索語句 |
同じ意味 | 青汁 ネット購入、青汁 購入、青汁 買いたい、安い 青汁 通販 |
検索された語句と完全に意味が一致していなくても広告表示がされるので、設定したキーワード周辺の検索語句へのアプローチが可能です。
詳しくは『フレーズ一致とは?リスティング広告での使い方や記号について詳しく解説』の記事でも解説しております。
Google公式の『フレーズ一致: 定義』も合わせてご覧ください。
2つのマッチタイプの主な違いのまとめ
まとめると、インテントマッチ(旧:部分一致)は指定したキーワードと関連した語句や類語にも配信され、フレーズ一致は同じ意味の検索語句にのみ広告表示されます。
フレーズ一致と比較すると、インテントマッチの拡張範囲は広くなります。
インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致のメリット・デメリット
インテントマッチ(旧:部分一致)のメリット・デメリット
ここではインテントマッチ(旧:部分一致)のメリット・デメリットを解説します。
メリット:コンバージョンにつながる新しいキーワードを発掘できる
インテントマッチ(旧:部分一致)は拡張性が高いため、思わぬ検索語句にも表示されるケースがあります。そのため、コンバージョンにつながる新しいキーワードを発掘するには非常に有効です。
獲得につながるキーワードを増やし、コンバージョン数を拡大したい場合は、積極的にインテントマッチ(旧:部分一致)を活用しましょう。
デメリット:獲得につながらない検索語句に広告が表示されてしまう可能性あり
部分一致は、フレーズ一致と比べて拡張性が大きいため、獲得につながらない検索語句に広告が表示されてしまう可能性があります。そのため、コンバージョン単価をフレーズ一致と比べると高くなる傾向があります。
フレーズ一致のメリット・デメリット
続いて、フレーズ一致のメリット・デメリットを解説します。
メリット:購買意欲の高いユーザーにのみアプローチすることが可能
広告配信の対象を絞り込んで、購買意欲の高いユーザーにのみアプローチすることが可能です。拡張範囲がインテントマッチ(旧:部分一致)に比べて狭いため、費用対効果が良くなる傾向にあります。
デメリット:一部の潜在顧客を取りこぼすリスクあり
フレーズ一致は、インテントマッチ(旧:部分一致)に比べて検索クエリに対する拡張範囲が狭いため、一部の潜在顧客を取りこぼすリスクがあります。
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インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の使い分け
ここでは、インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の使い分けについて説明します。
インテントマッチ(旧:部分一致)が効果的なケース
コンバージョンの拡大を図る際に、拡張性が低い完全一致とフレーズ一致のみの運用では限界があります。コンバージョンのとれる検索語句を新規に発掘したい場合は、インテントマッチ(旧:部分一致)を配信すべきです。
また、ユーザーの検索ニーズが幅広く、完全一致やフレーズ一致のみだと獲得につながる検索語句を取りこぼしてしまう場合は部分一致を活用しましょう。例えば、様々な商品を扱うECサイトは、ニーズが多岐に渡るため、部分一致の登録を推奨します。
コンバージョン単価(CPA)重視で慎重に拡大したい場合は、完全一致とフレーズ一致で多くのコンバージョンを獲得しているキーワードを優先して、部分一致に拡張するのが推奨です。
フレーズ一致が効果的なケース
ご予算が限られていて商品数も多くなく、コンバージョン単価(CPA)優先でコンバージョン数を増やしていきたい場合は、フレーズ一致を使用しましょう。
リスティング広告の初心者の方は、まず全てのキーワードをフレーズ一致で設定して始めるのがおすすめです。
まずはフレーズ一致で出稿するのがおすすめ!成果を出す3ステップ
コンバージョン単価(CPA)重視の場合は、まずは全てのキーワードをフレーズ一致で配信するのがおすすめです。
具体的な手順を解説します。
Step1.全てのキーワードをフレーズ一致で登録
まずは配信するキーワードを全てフレーズ一致で登録しましょう。
Google広告では管理画面でマッチタイプを設定する際に、キーワードに記号を付与する必要があります。
マッチタイプ | 記号 | 例 |
完全一致 | [] | [リスティング広告] |
フレーズ一致 | “” | “リスティング広告” |
部分一致 | 記号の付与は必要なし | リスティング広告 |
Google広告の管理画面でフレーズ一致のマッチタイプを登録する方法をご説明いたします。
①キーワードを追加する広告グループを選択し、「キーワード」の中の「検索キーワード」をクリック。
②実際にキーワードを入力。フレーズ一致は””の記号でキーワードを囲う。
③保存をクリック。
記号を忘れずに登録しましょう。記号をつけ忘れると部分一致で登録されてしまいます。
Step2.除外キーワード・自動入札・広告アセットを設定
キーワードのマッチタイプの登録が完了したら除外キーワードや自動入札、広告アセットを設定しましょう。
除外キーワードはある特定のキーワードを含む検索語句に対して、あらかじめ広告が表示されないように設定する機能のことです。除外キーワードのマッチタイプは、配信キーワードのマッチタイプと挙動が異なるので要注意です。詳しくは『除外キーワード設定で効果を最大化!初心者でもわかる選び方と活用法』の記事をご覧ください。
自動入札は「クリック数の最大化」「コンバージョン数の最大化」「目標コンバージョン単価」などの目標に合わせて自動で最適な入札を行ってくれる機能です。自社の目的に合わせて最適な入札方法を選びましょう。配信開始時はまずはサイトへの集客拡大を優先して「クリック数の最大化」に設定しましょう。
詳しくは下記のヘルプページをご参照ください。
自動入札機能について – Google 広告 ヘルプ
広告アセットは、広告文の他にテキスト訴求や電話番号、住所などを表示できる機能です。設定することによって広告の品質が高まり、広告ランクと呼ばれる掲載順位を決める指標に好影響を与えるので必ず設定しましょう。
広告アセットは『【Google 広告】広告アセットとは?全14種類の設定方法やメリットを解説』を、広告ランクは『広告ランクを上げる方法を現役運用者が徹底解説!上位表示の秘訣5つ』の記事で詳細をご確認ください。
Step3.CV数は多いが獲得単価を下げたいキーワードを完全一致に移行
配信開始後にフレーズ一致で登録した特定のキーワードでコンバージョン数が多くつくようであれば、マッチタイプを完全一致に切り替えましょう。
完全一致に切り替えることによって、キーワードと完全に同じ意味の語句が検索された場合にのみ配信されるので、コンバージョン単価を改善することができます。
成果が出てさらにCV数を増やしたい場合はインテントマッチ(旧:部分一致)にする
フレーズ一致で目標のコンバージョン単価に対して余裕がある場合、コンバージョン数を拡大するためにマッチタイプをインテントマッチ(旧:部分一致)にしましょう。
獲得につながる検索語句が増えるので、コンバージョン単価は上昇しますが、コンバージョン数を伸ばすことができます。目標のコンバージョン単価を超えないように、進捗を見て調整しましょう。
またインテントマッチを利用する際は自動入札機能を同時に活用することで、コンバージョン数を最大限に増やせる可能性があります。
参考:部分一致キーワードでスマート自動入札キャンペーンを促進する
月100万以上の広告予算かつCV数重視の場合はインテントマッチで始める|成果を出す3ステップ
月100万円以上の広告予算があり、コンバージョン数の拡大を目的とする場合はキーワードのマッチタイプをインテントマッチ(旧:部分一致)に設定して始めましょう。
手順を詳しく解説します。
Step1.まず全てのキーワードをインテントマッチ(旧:部分一致)で登録
フレーズ一致と同様に下記手順で設定を進めます。
①キーワードを追加する広告グループを選択し、「キーワード」の中の「検索キーワード」をクリック。
②実際にキーワードを入力。インテントマッチ(旧:部分一致)は記号の付与がいらないです。
③保存をクリック。
Step2.除外キーワード・自動入札・広告アセットを設定
フレーズ一致と同じように除外キーワード、自動入札、広告アセットを設定します。
インテントマッチ(旧:部分一致)の場合は特に除外キーワードをしっかり設定しましょう。インテントマッチ(旧:部分一致)は拡張性が大きいので、明らかに獲得につながらない検索語句まで多く拾う可能性が高いです。あらかじめ、除外キーワードを洗い出して登録しておきましょう。
除外キーワードの選定方法は『配信前の除外キーワードの選び方』をご覧ください。
Step3.獲得単価が高いキーワードをフレーズ一致に変更
配信後に想定以上にコンバージョン単価が上昇してしまった場合は、改善のためにマッチタイプをフレーズ一致に変更しましょう。
また、獲得につながらない検索語句を除外することも重要です。配信後の除外キーワードの選定方法は『配信中の除外キーワードの選び方』をご覧ください。
獲得が十分に出来ない場合は、広告文とLPを改善
リスティング広告の効果を良くする上で、キーワードの精査やマッチタイプの変更だけでは改善幅に限界があります。広告文や広告の受け皿となるランディングページ(LP)も合わせて改善することで、広告の効果を最大限引き出しましょう。
魅力的な広告文の作成方法は『リスティング広告のクリック率を上げる広告文のコツ11選|NG例とOK例で徹底解説!』を、
成果の出るLPの作り方や改善方法は『LPがリスティング広告の成果を決める理由と良いLPの作り方を解説!』の記事をご覧ください。
まとめ:インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致を正しく使いこなそう!
リスティング広告のインテントマッチ(旧:部分一致)やフレーズ一致の違いや正しい使い分けについて解説しました。拡張範囲や注意すべき点が異なるので、違いを理解して正しく使いこなしましょう。
適切なリスティング広告運用は、自社の売上拡大と事業の成長につながります。
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インテントマッチ(旧:部分一致)やフレーズ一致に関するよくある質問
Q.マッチタイプとは何でしょうか?
A.リスティング広告を表示する際に表示範囲を設定できる機能です。マッチタイプは完全一致、フレーズ一致、部分一致の3種類があります。詳しくは『マッチタイプを徹底解説!3種類の違いと正しい使い分け方とは?』の記事をご覧ください。
Q.Google、Yahoo!など複数の媒体でリスティング広告を配信する際に、マッチタイプは同じ設定をした方がよいですか?
A.複数媒体を運用する際は基本的には同一の設定で問題ないです。ただ一部媒体によっては、成果に差異が出てくる可能性もあるので、進捗をみながらマッチタイプを調整していきましょう。
Q.部分一致とフレーズ一致の違いは何でしょうか?
A.広告が配信される検索語句の範囲が異なります。詳しくは『インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の基本的な違いを理解しよう』をご覧ください。
Q.キーワード選定の方法を教えてください
A.詳しくは『【決定版】リスティング広告で成果を出すキーワード選定|簡単6ステップでわかりやすく解説』の記事をご覧ください。