生成AIでバナーを自動作成する方法を徹底解説|弊社ツールもご紹介
この記事でわかること
- 生成AIを活用してバナーを作成するメリット
- DALL·E 3、ChatGPT、Mid journeyなど、バナー制作に活用できる代表的な生成AI
- 生成AIを使ったバナー作成の具体的な方法
- 生成AIを用いたバナーのPDCAサイクルの回し方
生成AIの登場により、バナー制作の現場に大きな変革の波が訪れています。本記事では、生成AIを活用したバナー作成の方法や効果、留意点などを詳しく解説します。事例を交えながら、AIと人間の強みを掛け合わせる重要性についても論じます。
生成AIで広告運用全般を効率化する方法は『AIで広告運用を効率化する方法を解説|業務での活用法や4つの業界事例』の記事をご確認ください。
目次
生成AIを使ってバナーを作成するメリット3点
近年、AIの発展により、バナー制作の現場にも生成AIの活用が広がっています。生成AIを導入することで、制作工程の効率化や品質の向上が期待できます。ここでは、生成AIを使ってバナーを作成する主なメリットを3つご紹介します。
1.時間とコストを大幅に削減できる
生成AIを活用することで、バナー制作にかかる時間とコストを大幅に削減できます。AIが膨大なデータから学習し、ユーザーの入力した指示に基づいて自動的にクリエイティブなアイデアを生成するため、デザイナーが一から案を考える手間が省けます。
2.クリエイティブなアイデアが無限に生成される
生成AIを使えば、ターゲットに合わせて様々なパターンのバナーを瞬時に大量生成できます。アイデア出しに悩む必要がなくなり、クリエイティブな表現の幅が広がります。
3.A/Bテストで最適なバナーを見つけられる
大量のバリエーションを作れるので、A/Bテストを効率的に行えます。より効果の高いバナーを見つけ出し、最適化された制作物を短時間で仕上げられるのが大きな魅力です。
バナー作成に使える生成AI
バナー制作に活用できる生成AIは様々ありますが、代表的なものとして「DALL·E 3」「Mid journey」「Stable Diffusion」の3つが挙げられます。これらの生成AIは、それぞれ画像生成や文章生成に特化しており、バナー制作の各工程で効果的に使い分けることができます。以下で、各生成AIの特徴と活用方法を詳しく見ていきましょう。
DALL·E 3(ダリスリー)
バナー画像の生成には、OpenAIが開発した「DALL·E 3」が利用できます。テキスト入力に対して関連する画像を出力してくれるツールで、クリエイティブなビジュアルを手軽に作ることができます。
ChatGPTで利用が可能です。
Midjourney
「Midjourney」は、ディープラーニングを用いた画像生成モデルです。ユーザーのプロンプト(指示)に基づいてオリジナリティあふれるイラストやグラフィックを生成し、バナーのビジュアル制作に役立ちます。
これらのAIを組み合わせることで、ターゲットに響くクリエイティブかつ効果的なバナーを作成できます。
Stable Diffusion
Stable Diffusionは、テキストから画像を生成するための機械学習モデルです。プロンプトを入力することで、高品質な画像を生成することができ、クリエイティブな作品、デザイン、イラストレーションの制作に利用されています。
Stable Diffusionは、ディープラーニングと呼ばれる技術に基づいており、大量の画像とそれに関連するテキストデータを学習することで、与えられたテキスト記述に対応する画像を生成することができます。
ユーザーが特定の指示やイメージの説明を入力すると、それに基づいてStable Diffusionは画像を生成します。例えば、「森の中のベンチに腰掛けて本を読んでいる男性」と入力すると、その記述に合った画像を生成することが可能です。
生成AIを使ってバナーを無料で作成する方法を解説
バナー制作に生成AIを活用する際は、各ツールの特性を理解し、適切な手順で作業を進めることが重要です。ここでは、代表的な生成AIである「DALL·E 3」を使った無料でバナーを作成する方法を、具体的に解説します。実際の操作手順やプロンプトの例も交えながら、生成AIを用いたバナー制作のプロセスを詳しく見ていきましょう。
DALL·E 3でバナーを無料で作成する方法
「DALL·E 3」はChatGPTで利用が可能です。バナー画像を作るには、ChatGPTに指示文であるプロンプトを入力します。
簡単なプロンプトの例としては「クリーンでモダンな雰囲気の化粧品ブランドのバナーを作成してください。センターに商品写真、背景は白で。サイズは1200×600ピクセル。」などと入力します。
するとAIが指定した内容の画像を生成してくれます。さらに具体的なプロンプトを入力してみます。
▼プロンプト例
クリーンでモダンな雰囲気の化粧品ブランドのバナーを作成してください。1200×600ピクセルのサイズで、背景は純粋な白です。中央に1つの化粧品商品(例:スキンケアボトルやリップスティック)の高解像度写真を配置します。商品は影をつけて浮き立たせ、洗練された印象を与えます。バナーの左上にはブランド名をシンプルでエレガントなフォントで配置し、右下には短いキャッチフレーズを追加します。全体的なデザインは、ミニマリストで上品な印象を与えるようにしてください。
細かい指示内容もバナーに反映されました。このように、プロンプトを工夫することで自由にバナーを生成することが可能です。
生成AIで効果的なバナー作成をするための応用プロンプト例をご紹介
生成AIを使ってバナーを作成する際、適切なプロンプト(指示)を入力することが重要です。プロンプトの内容によって、生成されるバナーのクオリティや意図した方向性との一致度が大きく変わってきます。ここでは、「DALL·E 3」でバナー制作時に効果的なプロンプトの具体例を提示します。これらのプロンプト例を参考に、自社のバナー制作に適した指示の出し方を学んでいきましょう。
DALL·E 3を使ったプロンプト例
▼プロンプト例
下記がバナー生成用のプロンプト例になります。太字の箇所は案件に合わせて記入します。
##目的
広告代理店のクリエイティブ制作のプロ視点から与えた情報を整理し、商品のプロモーション広告のためのバナーを作成します。以下の変数を使用して広告用のバナーを生成します。変数が空欄の場合は、他の情報から最適な設定を推測してください。
##変数
###前提条件
・バナーを作成する目的: “バナーの作成目的を入力”(例:30代~40代向けの化粧品のMeta広告用の広告画像作りたい。広告の実施は新規顧客獲得が目的。)
・ターゲット情報: “ターゲットを入力”(例:20-45歳女性)
・バナーのサイズ:“バナーサイズを入力”(例:1080×1080)
・商品/サービスの特徴: “商品/サービスの特徴を入力”
・競合他社との差別化ポイント: “差別化ポイントを入力”
・希望するイメージやトーン: “希望するイメージやトーンを入力”(例:高級感、親しみやすさ、革新的など)
##手順
1.前提条件に基づいて最適なバナーを作成します。不足している情報がある場合は、適切な質問を行い、情報を補完します。
2.ターゲットにアピールするデザイン要素を考慮し、ターゲットの主要なペルソナや悩みから最適な訴求内容を導き出します。
3.ターゲットや訴求内容に基づいてバナーのデザインコンセプトを策定します。さらに、コンセプトに基づいて目標と方向性を設定します。デザインコンセプトを一文で表現し、その理由を説明します。
4.ステップ3と前提条件に基づいて、ターゲットに強くアピールするキャッチーなフレーズを3案作成します。顧客のベネフィットを必ず含むようにフレーズを修正します。タグラインをレビューし、最も効果的なものを1つ選んで出力します。
5.プロの広告クリエイティブデザイナーの視点から、前のステップに基づいて最適なカラー、レイアウトを選択します。各要素の選択理由を簡潔に説明します。
6.プロの広告クリエイティブデザイナーの視点から、前のステップに基づいて最終デザイン制作時の考慮点をまとめます。注目を集めるための具体的なデザイン要素や、ターゲットの視線の流れを考慮したデザインの工夫を提案します。
7.次の形式で提案書を出力し、各項目を明確に整理します:
No. | 項目 | 内容 1 | バナーの目的 | 記入 2 | ターゲット | 記入 3 | ターゲットのペルソナと抱えている悩み | 記入 4 | ターゲットが求めるベネフィット | 記入 5 | 構成の提案 | 記入 6 | デザインの目標と方向性 | 記入 7 | デザイン要素 | 記入 8 | 訴求内容 | 記入 9 | バナーのカラー | メインカラー: #カラーコード, サブカラー: #カラーコード, アクセントカラー: #カラーコード 10 | バナーのレイアウト | 記入 11 | デザイン制作時の考慮点 | 記入
8.提案書に基づいて、バナーを生成してください。
すべての回答は日本語で提供し、クリエイティブな提案を行う際は具体例を挙げて説明してください。
実際の使用例1:女性向け化粧品の広告バナー
上記の太字の箇所を下記のように記載します。
▼プロンプト例
・バナーを作成する目的: 30代~40代向けの化粧品のMeta広告用の広告バナーを作りたい。広告の実施は新規顧客獲得が目的。
・ターゲット情報: 30代~40代の女性
・バナーのサイズ:1080×1080
・商品/サービスの特徴: 美白成分が多く配合されている
・競合他社との差別化ポイント: 上記の点ならびに価格の安さ
・希望するイメージやトーン: 革新的
これをChatGPTに入力すると下記の提案書が出力されました。
この内容を元に画像を生成します。
バナーが作成できました。生成AIはバナー内のテキスト生成が苦手なため、あくまでもデザインの参考としてご使用ください。
実際の使用例2:中古車販売の広告バナー
続いて中古車販売のバナー広告を作成します。
▼プロンプト例
・バナーを作成する目的: 40代~50代男性向けの中古車販売のMeta広告用の広告画像を作りたい。広告の実施は新規顧客獲得が目的。
・ターゲット情報: 40-50代の男性
・バナーのサイズ:1080×1080
・商品/サービスの特徴: 高品質、様々な車種を取り揃えている
・競合他社との差別化ポイント: 厳密な基準をクリアした高品質な中古車しか販売していない
・希望するイメージやトーン:親しみやすさ
これをChatGPTに入力すると下記の提案書が出力されました。
この内容を元に画像を生成します。
バナーが作成できました。
生成AIの活用にお困りではないですか?
株式会社アドカルは主に東大発の生成AI技術を活用した業務効率化に強みを持った企業です。
貴社のパートナーとして、少数精鋭で担当させていただくので、
「生成AIをマーケティング業務に活用したい」
「業務効率を改善したい」
「自社の業務に生成AIを取り入れたい」
とお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
貴社のご相談内容に合わせて、最適なご提案をさせていただきます。
下記のサービスページをご覧ください。
生成AIで広告バナーを作る際の注意点3つ
生成AIを使ってバナーを作成する際は、いくつかの注意点を踏まえておく必要があります。AIの能力を過信しすぎたり、生成物をそのまま使用したりすることは、予期せぬトラブルを招く可能性があります。ここでは、AIを用いたバナー制作において特に留意すべき3つのポイントを解説します。これらの注意点を理解し、適切にAIを活用することで、より効果的かつ安全なバナー制作が可能となるでしょう。
1.著作権侵害に注意する
AIが生成した画像やコピーには、学習データに由来する既存の著作物に類似したものが含まれている可能性があります。完全にオリジナルとは言えない場合もあるので、確認しましょう。
2.生成物が意図しない内容になる可能性がある
AIはあくまで確率的にコンテンツを生成するため、時として意図しない結果が出力されることがあります。視覚的なノイズや、事実と異なるおかしな文章など、クオリティにばらつきがあるので人間のチェックが必要です。
3.生成AIに過度に依存しすぎない
AIに頼りすぎるのは禁物です。ツールはあくまで制作をアシストするもので、最終的な判断は人間が行うべきです。AIを活用しつつ、クリエイティビティを発揮していくことが理想的と言えるでしょう。
株式会社アドカルでの生成AIを活用したバナー自動生成の4ステップ
株式会社アドカルでの生成AIを活用したバナー作成のステップをご紹介します。
ステップ1.市場分析~ペルソナ作成
まず、市場調査とペルソナ設計を行い、ターゲット像を明確にします。これらの分析には生成AIのClaudeを活用します。以降のステップ2~3もClaudeを活用します。
ステップ2.ペルソナが抱えている悩みを分析
続いて、ペルソナの持つ課題やニーズを整理し、訴求ポイントを抽出します。
※生成AIペルソナ作成ツールについては『生成AIペルソナ作成ツールのおすすめ8選をご紹介!選定ポイントも解説』の記事をご覧ください。
ステップ3.訴求~バナーの構成案をテキストベースで作成
そこからバナーのラフな構成案をテキストベースで作成。キャッチコピーのトーンアンドマナーやレイアウトのイメージを言語化することで、生成AIへの指示をより具体的にします。
ステップ4.プロンプトに構成案を反映してバナーを生成
最後に構成案を用いてプロンプトを作成し、DALL·E 3の画像生成AIでビジュアルを出力。人間のディレクションのもと、AIの生成物を洗練させていきます。
このようにAIと人間のコラボレーションにより、目的に沿ったバナーのイメージ生成を実践しています。
上記のステップ1~3については、下記の動画でご紹介しております。
生成AIを活用して広告バナーのPDCAを回すことも可能
【動画付き】バナーテストの結果を元に新規で制作するバナーの方向性を出力
生成AIはバナー作成だけでなく、PDCAを回して新規クリエイティブを作成していく場合にも活用できます。たとえば、A/Bテストの結果をもとに、より効果の高いクリエイティブの方向性を生成AIに提案させることが可能です。
「前回のA/Bテストでは、『今すぐ買う』のCTAを配置した方が、『詳細はこちら』のバナーより1.5倍のクリック率だった。次回制作では、どのようなメッセージやデザインに改善すべきか、アイデアを10個出力してください」といった具合に、AIに改善案のヒントを出させるのです。
AIからのアウトプットをベースに、人間のクリエイターが案をブラッシュアップしていく。そうしてバナーのPDCAサイクルを効率的に回していくことができます。定期的にデータを分析し、AIによる助言を参考にしながら施策を打っていく。そういった業務フローを設計することで、バナー広告の運用・最適化をスピーディーに行えるでしょう。
下記の動画は、弊社にて2種類の効果が良かったバナーと悪かったバナーを比較して、良かった要因を分析し、その要素をもとに新規クリエイティブの方向性を生成AIを用いて出力する際のデモ動画になります。
まとめ
生成AIを活用したバナー制作は、時間とコストの削減、クリエイティビティの向上など、多くのメリットがあります。
DALL·E 3やMidjourneyといった優れたツールを効果的に組み合わせることで、バナーを効率的に作成することが可能です。
一方で、AIの限界を理解し、著作権侵害や意図しない結果の可能性に注意を払う必要があります。最終的には、AIの強みを生かしつつ、人間のクリエイティビティや判断力を発揮することが重要です。生成AIと人間の専門性を適切に組み合わせ、戦略的にバナー制作に取り組むことで、広告効果の最大化を目指しましょう。AIの活用は、これからのバナー制作に欠かせない要素となるでしょう。
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