品質スコアとは?改善に注力すべき指標ではない理由を徹底解説!

 
 

この記事でわかること

  • 品質スコアの基本と広告の品質との違い
  • 品質スコアは改善に注力すべき指標ではない理由
  • 品質スコアの向上方法
谷田 朋貴

監修者プロフィール

谷田 朋貴

一橋大学卒業後、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、Web専業広告代理店を経て、株式会社電通デジタルに入社。アカウントプランナーとして国内の大手クライアントに対し、運用型広告を中心にデジタル全体のプロモーション施策の戦略立案・実行に従事。2023年12月、株式会社アドカルを創業。

品質スコアは改善に注力すべき指標ではありません。

広告の掲載順位が決まる「広告ランク」の要素となる「広告の品質」とは別物であり、改善したからといって必ずしもクリック単価が改善したり、掲載順位が上昇したりするものではないです。

本記事では、リスティング広告の品質スコアの基本から計算方法、改善に注力すべき指標ではない理由を解説します。

品質スコアは、Googleがリスティング広告の全般的な品質の一部を数値化したものであり、1から10までの範囲で示されます。

品質スコアの定義

品質スコアは、Googleのリスティング広告で他の広告主と比較した際の広告の品質を大まかに評価した結果です。このスコアは、広告のクリック率(CTR)、キーワードと広告の関連性、そしてランディングページの質という3つの要素に基づいて、10段階(1〜10)で算出されます。

広告の品質との違い

「品質スコア」と「広告の品質」はよく混同されるので、注意が必要です。2つは言葉上は似ていますが、異なるものになります。

リスティング広告のプロである広告代理店ですら、品質スコアと広告の品質の違いや、成果への影響を間違えている方が多いので、丁寧に解説します。

改めてですが、広告ランクを高めるには、主に広告の品質と上限クリック単価(入札単価)が重要です。広告の品質は、Googleのリスティング広告がユーザーに提供する価値の度合いを指します。

Googleの公式ヘルプページを参照すると、広告の品質は様々な要素で判断されるという旨が記載されており、具体的に影響する要素は明示されていません。ユーザー体験を高められれば、広告の品質が高められるという大枠のみ述べられています。

注: 広告の品質は、個々の検索のコンテキストによって変化します。広告の品質について – Google 広告 ヘルプ

一方で品質スコアで評価される項目は「広告のクリック率(CTR)」「キーワードと広告の関連性」「ランディングページの質の3要素のみであり、広告の品質の一部の要素にすぎません。言葉上は似ておりますが、似て非なるものになります。広告の掲載順位には品質スコアは直接影響しません。

また、品質スコアは、配信キーワードに対して「完全一致」の検索語句で検索された場合の評価になりますそのため、ユーザーが検索する語句がキーワードと少しでも異なれば、そのキーワードの品質スコアの評価に含まれません。

品質スコアはあくまでも広告の品質の一部であることを理解し、参考値として確認するようにしましょう。

品質スコアと広告の品質の違い

品質スコアは、主に以下の3つの要素に基づいて算出されます

これらの要素がどのように組み合わさって品質スコアが形成されるのかを掘り下げていきましょう。

推定クリック率

推定クリック率は、広告が表示された際にユーザーがどれだけの確率でクリックするかを予測したものです。この値は過去のパフォーマンスデータに基づいています。推定クリック率が高いと、ユーザーが広告を見つけやすく、関心を持っていると判断され、品質スコアにプラスの影響を与えます。

広告の関連性

広告の関連性は、ユーザーの検索クエリと広告内容の一致度を測る指標です。Googleは、検索意図に最も合致する広告をユーザーに提供することを目指しています。そのため、広告テキストがユーザーの検索クエリに密接に関連している場合、高い評価を受けます。広告が検索クエリと直接関係していない場合、品質スコアは低下する可能性があります。

ランディングページの利便性

ランディングページの利便性は、広告をクリックしたユーザーが遷移するページの品質に基づきます。Googleは、ユーザーが求める情報を迅速かつ簡単に見つけられる、高品質なランディングページを高く評価します。この評価には、ページの読み込み速度、ナビゲーションのしやすさ、コンテンツの関連性・有用性などが含まれます。

ランディングページがユーザーのニーズに応え、関連する情報を提供していれば、品質スコアに好影響を与えます。

ここまで品質スコアの基本や算出に使われる要素について解説してきましたが、実は品質スコアの改善に注力することはリスクになります。

その理由について解説します。


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①広告ランクを決定する要素として品質スコアは活用されないから

②品質スコアはあくまでの結果論に過ぎないから

品質スコアとは、広告の品質を高めた結果としての数値の一つにしか過ぎません。広告の品質そのものを高めることに注力しましょう。

Google広告の公式ヘルプページでも下記の通り記載があります。

③品質スコアはキーワードの「完全一致」が前提だから

品質スコアは、配信キーワードに対して「完全一致」の検索語句で検索された場合の評価になります。そのため、ユーザーが検索する語句がキーワードと少しでも異なれば、そのキーワードの品質スコアの評価に含まれません。

品質スコアの追求は、時にユーザーの真のニーズや問題解決を二の次にしてしまうことがあります。

例えば、品質スコアの改善に注力するあまり、実際にユーザーが求めている情報や解決策から逸脱したコンテンツを作成してしまう可能性があります。マーケティングの核心は、ユーザーの期待に応えることにあり、品質スコアはその手段の一つに過ぎないことを認識することが重要です。

ここまで品質スコアに注力すべきではない理由について述べてきました。しかしながら、広告の品質を高める1つの参考値として用いることは間違いではありません。

品質スコアの低いキーワードの「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」が「平均より下」の場合はテコ入れをしても良いでしょう。

参考として改善方法についても解説します。

推定クリック率を改善する方法

広告文の工夫

効果的な広告文は、高いクリック率の鍵となります。具体的な数値や成果、限定オファーを用いることで、ユーザーの関心を引き、行動を促すことができます。

広告文を魅力的にする

数字を含めた具体的な表現や、限定性を強調する言葉(例:「期間限定」「今だけ半額」)を用いることで、ユーザーの注意を引き、クリック率を高めることができます。

広告の関連性を高める方法

キーワードの選定

広告に関連するキーワードを慎重に選び、広告文に適切に組み込むことで、広告の関連性を高めることができます。キーワードと広告文が一致することで、ユーザーの検索意図に直接応える広告を作成できます。

広告グループの最適化

関連性の高いキーワードを同じ広告グループにまとめ、それぞれに合った広告文を作成します。これにより、各広告のターゲットをより精密に設定し、関連性を高めることが可能です。

ランディングページの利便性を高める方法

コンテンツの最適化

ユーザーが求める情報を提供するために、ランディングページのコンテンツを最適化します。また、広告で訴求した内容がランディングページでしっかりと提供されているかを確認しましょう。

ページの読み込み速度の改善

ユーザー体験を損なわないよう、ランディングページの読み込み速度を最適化します。高速なページは、離脱率を下げ、コンバージョン率を高めることに貢献します。

モバイルフレンドリーな設計

多くのユーザーがモバイルデバイスを使用しているため、ランディングページはモバイルフレンドリーであることが重要です。スマートフォンでの閲覧が快適なページを設計しましょう。

Q.品質スコアの算出方法について教えてください

A.推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性の3つの要素をベースに、10段階(1〜10)で相対的に評価しています。

Q.品質スコアの確認方法について教えてください

A.下記の手順で確認が可能です。

①Google 広告の管理画面を開きます。
②「キャンペーン」から「キーワード」をクリック
③「表示項目」の中の「品質スコア」をクリック
④「品質スコア」「品質スコア(履歴)」「推定クリック率」「推定クリック率(履歴)」「ランディングページの利便性」「ランディングページの利便性(履歴)」「広告の関連性」「広告の関連性(履歴)」にチェックを入れて保存します。

品質スコアの基本や算出方法、改善に注力すべきでない理由について解説しました。

品質スコアはあくまでの指標の1つとして参考値程度にとらえつつ、「広告の品質」を高めることに注力しましょう。


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