インテントマッチ(部分一致)とは?リスティング広告での使い方や記号について詳しく解説
この記事でわかること
- インテントマッチ(旧:部分一致)の基本と他マッチタイプとの違い
- インテントマッチを活用すべき状況
- 画像付きで解説、インテントマッチの設定手順
「インテントマッチ(旧:部分一致)って何?」
「リスティング広告における使い方が知りたい」
という疑問を持たれている方向けに「インテントマッチ」の基本や使い方について解説します。
リスティング広告における「インテントマッチ」のマッチタイプは、広告キャンペーンの精度を高め、効果的な広告配信を実現するための重要な機能です。本記事では、「インテントマッチ」の定義からメリットやデメリット、さらには最適なキーワード選定戦略について詳しく掘り下げていきます。
この記事を読んでいただければ「インテントマッチ」について上手に活用することが可能になります。
リスティング広告の基本や仕組みについては『リスティング広告とは|仕組み・運用・成功の秘訣を初心者向けに解説」の記事をご覧ください。
目次
インテントマッチ(旧:部分一致)とは
マッチタイプとは
マッチタイプは、検索語句に対して広告掲載の範囲を決定する設定のことです。これにより、広告が表示される状況を細かく制御でき、広告予算の効率化と効果の最大化を図ることが可能になります。
マッチタイプの種類
マッチタイプには下記の通り、3種類存在します。
登録するキーワードそれぞれに対して、マッチタイプを選ぶ必要があります。
マッチタイプ | 仕様 |
完全一致 | 登録したキーワードと完全に同じ意味の語句で検索された場合に、広告を表示させる |
フレーズ一致 | 登録したキーワードと同じ意味の語句を含む場合に、広告を表示させる |
インテントマッチ(旧:部分一致) | 登録したキーワードと意味が異なっても、関連性があれば広告を表示させる |
マッチタイプの記号
実際に広告の管理画面上でキーワードのマッチタイプを設定する際に、特定の記号を付ける必要があります。
それぞれ記号は下記表の通りです。
マッチタイプ | 記号 | 例 |
完全一致 | [] | [リスティング広告] |
フレーズ一致 | “” | “リスティング広告” |
インテントマッチ(旧:部分一致) | 記号の付与は必要なし | リスティング広告 |
マッチタイプについては下記の記事でも詳しく解説しておりますので、是非ご覧ください。
マッチタイプを徹底解説!3種類の違いと正しい使い分け方とは?
公式ページの『キーワードのマッチタイプについて – Google 広告 ヘルプ』も合わせてご確認ください。
インテントマッチ(旧:部分一致)の概要と他マッチタイプの違い
インテントマッチ(旧:部分一致)はキーワードと関連した検索語句に広く広告表示ができるマッチタイプです。
例えば「青汁 通販」というキーワードをインテントマッチの概要と他マッチタイプの違いで登録した場合、下記のような広告表示のイメージになります。
カテゴリ | ユーザーが検索した際に広告表示する検索語句 |
”青汁”に関連する語句 | 青汁 安い、青汁 店舗、青汁 まずい |
”通販”に関連する語句 | 青汁 購入、青汁 定期、青汁 買いたい |
上記以外にも予想だにしなかった検索語句まで表示範囲が拡張するリスクもあります。
一方で獲得につながるキーワードを発掘できる可能性も高まるので、主にとにかくコンバージョンを拡大していきたいという目的での実施や現状設定しているキーワードのマッチタイプだと全く検索されないという状況であれば、インテントマッチの設定はおすすめです。
下記はGoogle公式の部分一致に関するページになりますので、ご参照ください。
部分一致: 定義 – Google 広告 ヘルプ
部分一致のご利用ガイド – Google 広告 ヘルプ
インテントマッチ(旧:部分一致)と完全一致の違い
完全一致はキーワードと全く同じ検索語句や、同じ意味を持つ語句に限定して配信されるのに対し、インテントマッチ(旧:部分一致)はより広範囲の関連語句で広告が表示されます。
完全一致は下記の記事で詳しく説明していますので合わせてご覧ください。
完全一致とは?リスティング広告での使い方や記号について詳しく解説
『完全一致: 定義 – Google 広告 ヘルプ』も合わせてご確認ください。
インテントマッチ(旧:部分一致)とフレーズ一致の違い
フレーズ一致は同じ意味の検索語句に広告が表示されますが、インテントマッチ(旧:部分一致)はそれに加え、さらに関連性のある様々な語句で広告が表示される点で拡張性が高いです。
フレーズ一致の仕組みやインテントマッチとフレーズ一致の違いは下記の記事で詳しく説明していますので合わせてご覧ください。
・フレーズ一致とは?リスティング広告での使い方や記号について詳しく解説
・部分一致・フレーズ一致の違いを詳しく解説【状況別の事例付き】
公式ページの『フレーズ一致: 定義 – Google 広告 ヘルプ』も合わせてご確認ください。
インテントマッチ(旧:部分一致)が広告表示するために参考にしている4つのシグナル
インテントマッチ(旧:部分一致)は拡張性が高く、一見リスクの高いマッチタイプのように思えますが、Google広告の部分一致は下記の通り、フレーズ一致や完全一致と比べて使用するシグナルが多いため、親和性の高い検索語句に配信できるように精度が高くなっています。
※引用:『部分一致が進化?パフォーマンス部分一致とは。検索広告の最新トレンドをおさえよう! | 株式会社PLAN-B』
インテントマッチに活用されている主な4つのシグナルについて解説します。
広告グループに含まれる他のキーワード
インテントマッチ(旧:部分一致)のキーワードの意味をとらえて配信できるよう、広告グループ内のキーワードをシグナルとして参考にしています。例えば「青 Tシャツ」のキーワードが「海 Tシャツ 」という検索語句に反応したとしましょう。
キーワード | 検索語句 | 広告グループ内の他キーワード |
---|---|---|
青 Tシャツ | 海 Tシャツ | 白 Tシャツ、黄 Tシャツ、 黒 Tシャツ |
するとGoogle広告は広告グループに含まれている他キーワードを参考にして、Tシャツの色に関連したキーワードが登録されていることを学習します。すると、「海の写真や絵が描かれたTシャツではなく、海色のTシャツを探しているユーザーには広告表示すべき」という判断を下します。
インテントマッチは広告グループ内の他キーワードを参考にして、適切な検索語句に広告配信を行います。
ランディングページの内容
Google広告は広告リンク先のランディングページの内容をくみ取った上で広告配信を行います。
キーワードに検索語句が含まれていなくても、ランディングページ内に検索語句に関連する商品やサービスの記載がある場合は関連が高いと判断して広告が配信されます。
キーワード | 検索語句 | ランディングページの内容 |
---|---|---|
Web広告 運用代行 | リスティング広告 運用代行 | リスティング広告の運用代行 |
特にECで取り扱っている商品点数やカテゴリが多く、ユーザーのニーズが多岐にわたる場合は、フレーズ一致・完全一致のみではカバーしきれない可能性が高いため、インテントマッチ(旧:部分一致)を活用して取りこぼしが無いようにすることでコンバージョン拡大に繋がるでしょう。
ユーザーの検索履歴
ユーザーが過去に検索した語句も参考にして、一部の単語が抜けていても広告表示を行います。
キーワード | 検索語句 | ユーザーの過去の検索語句 |
---|---|---|
Meta広告 X広告 | Meta X | X 広告 |
上記のように「Meta広告 X広告」というキーワードを仮に配信しているとします。過去にX広告について検索していたユーザーが「Meta X」という広告の文字を含まない検索をした場合でも広告表示を行います。
ユーザーは過去「X 広告」という検索をしているので、X広告の仕組みやメニューについて知りたいというニーズがあると想定できます。したがって、広告の文字が含まれていなくても検索意図が合っていると判断して広告配信を行います。
ユーザーの所在地
ユーザの所在地を元に関連性のあるキーワードで広告を表示します。
例えば「近所の広告代理店」と検索した際に、ユーザーの所在地がキーワードが意図しているエリアと近い場合、広告配信を行います。
キーワード | 検索語句 | ユーザーの所在地 |
---|---|---|
墨田区 広告代理店 | 近所の広告代理店 | 墨田区 |
店舗を持っているビジネスは、地域名の掛け合わせキーワードがコンバージョンにつながる可能性が高いため、部分一致の活用を積極的に行いましょう。
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インテントマッチ(旧:部分一致)のメリットとデメリット
インテントマッチ(旧:部分一致)のメリット・デメリットについて解説します。
インテントマッチ(旧:部分一致)のメリット
想定できない検索語句からのコンバージョン獲得
インテントマッチ(旧:部分一致)は拡張性が高いため、思わぬ検索語句にも表示されるケースがあります。
そのため、コンバージョンにつながる新しいキーワードを発掘するには非常に有効になります。
獲得につながるキーワードを増やし、コンバージョン数を拡大していきたい場合には、積極的に部分一致を活用しましょう。
インテントマッチ(旧:部分一致)のデメリット
拡張性が大きいため、費用対効果が低くなる可能性あり
インテントマッチ(旧:部分一致)は、完全一致やフレーズ一致と比べて拡張性が大きいため、獲得につながらない検索語句に広告が表示されてしまう可能性があります。
そのため、広告の費用対効果が低くなるリスクは常にあります。
まずは完全一致やフレーズ一致でコンバージョンがついているキーワードを中心に、リスクを抑えながらインテントマッチを登録することを推奨します。
インテントマッチ(旧:部分一致)を使うべき状況
ニーズが幅広い商材の場合
ユーザーの検索ニーズが幅広く、完全一致やフレーズ一致のみだとコンバージョンが獲得できる検索語句を取りこぼしてしまう場合はインテントマッチ(旧:部分一致)を活用しましょう。
例をあげると様々な商品を扱うECサイトなどは、ニーズが多岐に渡るため、インテントマッチの登録を推奨します。
コンバージョンに繋がる検索語句を発掘したい場合
コンバージョンの拡大を図る際に、完全一致とフレーズ一致のみの運用では限界があります。コンバージョンのとれる検索語句を新規に発掘したい場合は、インテントマッチ(旧:部分一致)を配信すべきです。
慎重に拡大していく場合は、個人的には完全一致とフレーズ一致で多くのコンバージョンを獲得できているキーワードを優先してインテントマッチに拡張するのが推奨です。
インテントマッチ(旧:部分一致)を活用する上で注意すべきこと3点
ここではインテントマッチ(旧:部分一致)を活用する上で注意すべき3点のポイントについて解説します。
除外キーワードを必ず登録
インテントマッチ(旧:部分一致)を活用すると、拡張性が高いため、コンバージョンにつながらないような検索語句も多く拾う可能性があります。
あらかじめ、獲得につながらないキーワードは除外しておきましょう。
Google公式の『除外キーワードについて』も合わせてご確認ください。
自動入札戦略と併用
インテントマッチ(旧:部分一致)を活用する場合は、様々な検索語句に対応するため、自動入札戦略を利用することを推奨します。自動入札では、広告の目標に応じてシステムが入札価格を自動で調整し、手動入札では行えない細かな価格設定を可能にします。
手動入札では、全ての検索語句に対して一律の入札価格を設定することしかできず、その結果、広告の表示機会を逃したり、無駄な広告費を使ってしまうリスクがあります。一方、自動入札を用いると、各検索語句やユーザーの反応に基づき、より効果的な入札価格を設定することができ、コンバージョンの増加やコンバージョン単価の削減を狙えます。
特に、広告の表示を最適化するためには、コンバージョンが期待できる検索語句に対しては積極的に表示させ、反対にコンバージョンの見込みが薄い検索語句には表示させないように調整することが重要です。しかし、このような細かな調整は手動入札では難しく、自動入札を利用することで初めて可能になります。
自動入札戦略には様々な種類がありますが、目標コンバージョン単価(tCPA)を用いることが一般的です。これはコンバージョン数を最大化する目標を設定しつつ、コンバージョン単価を制御する戦略です。クリック単価が高騰するリスクを抑えながら、コンバージョンの積み増しを行うことが可能です。
インテントマッチを使用する際には、目標に合わせた自動入札戦略を選択し、広告の効果を最大化しましょう。
部分一致でスマート自動入札キャンペーンを促進する – Google 広告 ヘルプのページも合わせてご確認ください。
▼その他自動入札に関する参考ページ
・「クリック数の最大化」入札戦略について – Google 広告 ヘルプ
・目標インプレッション シェアに基づく入札について – Google 広告 ヘルプ
・「コンバージョン数の最大化」による入札について – Google 広告 ヘルプ
・「コンバージョン値の最大化」入札戦略について – Google 広告 ヘルプ
少額ご予算で目標コンバージョン単価(CPA)がきっちり決まっている場合は活用を控える
ご予算が少額で目標のコンバージョン単価(CPA)がかっちりと決まっている場合は、インテントマッチ(旧:部分一致)の活用を推奨しません。
コンバージョンの拡大を目的とする場合には活用が必須ですが、コンバージョンの単価を抑えることに重きを置く場合は相性が悪いケースが多いです。
リスティング広告を実施する目的やご予算の都合、目標値を踏まえて、インテントマッチの活用を検討しましょう。
インテントマッチ(旧:部分一致)に関する弊社実績
EC集客のリスティング広告実施における、フレーズ一致と完全一致のみを利用した場合と、インテントマッチ(旧:部分一致)のマッチタイプも追加した場合の実績比較は下記の通りです。(期間は2週間)
・完全一致とフレーズ一致のみ:CPC300円、CVR3.5%、CV10件
・完全一致とフレーズ一致と部分一致を活用:CPC339円、CVR2.8%、CV14件
部分一致を追加したことで、CPCは上昇し、CVRは低下したものの、CV件数が拡大できました。
目的や状況に応じて、是非積極的にインテントマッチをご活用してみてください。
インテントマッチ(旧:部分一致)の設定方法
Google広告
まず、Google広告での設定方法を解説してきます。
Google広告では管理画面でマッチタイプを設定する際に、キーワードに記号を付与する必要があります。
マッチタイプ | 記号 | 例 |
完全一致 | [] | [リスティング広告] |
フレーズ一致 | “” | “リスティング広告” |
インテントマッチ(旧:部分一致) | 記号の付与は必要なし | リスティング広告 |
下記にて直接Google広告の管理画面でインテントマッチのマッチタイプを登録する方法をご説明いたします。
①キーワードを追加する広告グループを選択し、「キーワード」の中の「検索キーワード」をクリック。
②実際にキーワードを入力。インテントマッチはキーワードは付与しない。
③保存をクリック。
設定したいマッチタイプに合わせて記号を忘れずに登録しましょう。
Yahoo!広告
Yahoo!はGoogle広告とは異なり、マッチタイプを選んで設定する形式になります。
①キーワードを追加したい広告グループを選択し、「キーワード」をクリック。
②キーワードを入力。
③選択項目の中から「インテントマッチ」のマッチタイプを選ぶ。
⑤「作成」をクリック。
Microsoft広告
①キーワードを追加する広告グループを選択し、「キーワード」をクリック。
②実際にキーワードを入力。インテントマッチは記号を付与しない。
③保存をクリック。
記号の設定方法などGoogleと仕様は同じなので、設定したいマッチタイプに合わせて記号を忘れずに登録しましょう。
除外キーワードにおける部分一致に関しての注意点
除外キーワードを部分一致登録したときの挙動は配信キーワードと異なる
配信キーワードのインテントマッチ(旧:部分一致)と除外キーワードの部分一致は挙動が異なります。除外キーワードの部分一致は配信キーワードと異なり拡張せず、キーワードが検索語句に順不同で含まれている場合のみ除外されます。
具体的には、
- キーワードが検索語句に含まれている場合は除外(語順が逆でも除外)
- 拡張されないので、キーワードに関連する語句の検索語句は除外されない
- 表記ゆれは除外されない
となります。フレーズ一致で除外キーワードを登録すると、同じ語順でないと除外されないため、基本的に部分一致で除外キーワードは登録しましょう。
除外キーワードについては下記の記事で詳しく解説しております。
除外キーワード設定で効果を最大化!初心者でもわかる選び方と活用法
『除外キーワードについて – Google 広告 ヘルプ』も合わせてご確認ください
まとめ
インテントマッチ(旧:部分一致)の基本や、メリット・デメリット、適切な使い方について解説しました。
リスティング広告を実施の企業様は是非、インテントマッチのマッチタイプを適切に活用して広告効果の最大化を図りましょう。
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