CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングとは?
この記事でわかること
- CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングとは
- CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングのメリット
- CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングのマーケティング活用例
ChatGPTに興味を持って調べている中で、
「CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングって何?」
「CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングのメリットは?」
「CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングってマーケティングに活かせるの?」
といった疑問を持たれている方向けにCoT(Chain-of-Thought)プロンプティングの基本やメリット、マーケティングでの活用例を解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
プロンプトとは
プロンプトとは、ユーザーが入力するChatGPTへの質問や指示のことを指します。
これを行うことで、ChatGPTと対話しながら回答を引き出すことができるようになります。
CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングとは
問題に解答するまでの手順をプロンプトに含めるテクニックのこと
CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングとは、ChatGPTなどの対話型のAIにプロンプトを入力する際に思考の過程や具体的な手順をあらかじめ与えることにより、より質問内容に適した回答が得られるようにするテクニックになります。
また、思考過程や手順をプロンプトとして与えずAI自身に考えさせることでも出力内容の質が改善されることもあり、このテクニックのことをChain-of-Thoughtと呼びます。
元々はGoogleの論文で提案されたテクニック
CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングは元々、Googleが2022年1月に公開した論文『Chain-of-Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models』(Googleの公式ブログ記事)で提唱されたテクニックです。
この論文では、CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングというテクニックが、算術などの推論タスクにおいてAIの言語モデルの推論能力を向上させることが報告されています。
CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングの利用例
Few-Shot プロンプティングと組み合わせることで、より良い結果を得られる可能性が高まります。Few-Shotプロンプティングについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
・Few-Shotプロンプティングとは?マーケティングへの活用法も解説
それではChatGPTでCoT(Chain-of-Thought)プロンプティングを実際に活用してみましょう。(GPT4.0に入力)
CoT(Chain-of-Thought)プロンプトの例:
このグループの奇数を合計すると偶数になります。: 1、3、5、7、9、11、13。
A: 奇数を全て加えると49になります。答えはFalseです。
このグループの奇数を合計すると偶数になります。: 11、11、11、11、11、12、13。
A: 奇数を全て加えると68になります。答えはTrueです。
このグループの奇数を合計すると偶数になります。: 29、31、44、14、8、26、11。
A: 奇数を全て加えると71になります。答えはFalseです。
このグループの奇数を合計すると偶数になります。: 2、4、6、8、10、12、14。
A: 奇数を全て加えると0になります。答えはTrueです。
このグループの奇数を合計すると偶数になります。: 31、33、51、9、13、12、8。
A:
出力文:
このグループの奇数(31、33、51、9、13)の合計は137であり、偶数ではありません。答えはFalseです。
グループ内の奇数の和が偶数になるかを問う問題ですが、
・グループ内の奇数をまずは合計する
・合計した数が偶数になるかを判断する
という思考手順を例を用いて伝えることにより、正解を導くことができました。
このようにCoT(Chain-of-Thought)プロンプティングは複雑なタスクも処理することができます。
Zero-Shot CoT プロンプティングとは?
Few-Shotプロンプティングを組み合わせたCoT(Chain-of-Thought)プロンプティングを紹介しましたが、例を提示しないZero-Shotプロンプティングでは組み合わせることはできないのでしょうか。
※Zero-Shotプロンプティングについては、下記の記事で詳細を解説しております。
・Zero-Shotプロンプティングとは?マーケティングにも活用可
下記のように例を出さずに、いきなり問題を出してみます。(GPT3.5に入力)
Zero-Shotプロンプトの例:
次のグループの奇数を合計すると偶数になりますか?: 1、3、5、7、9、11、13。
出力文:
はい、このグループの奇数を合計すると偶数になります。
1 + 3 + 5 + 7 + 9 + 11 + 13 = 49
この合計値は49であり、奇数です。
合計値はあっていて、最終的には奇数であると答えているものの、冒頭では偶数であると誤った解答を出しています。
そこで、思考の手順を与えたZero-Shot CoT プロンプティングを用いて、適切な解答を出力してもらいます。
Zero-Shot CoT プロンプトの例:
回答は順序立ててステップごとに出力してください。
次のグループの奇数を合計すると偶数になりますか?: 1、3、5、7、9、11、13。
出力文:
もちろんです。順序立ててステップごとに示します。
最初に、与えられた奇数のグループを合計します。
1 + 3 + 5 + 7 + 9 + 11 + 13 = 49
合計を計算します。
合計 = 49
次に、合計が偶数か奇数かを確認します。
合計値 49 は奇数です。
したがって、このグループの奇数を合計しても結果は奇数です。
このように例を提示しないZero-Shotでも、CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングを組み合わせると正しい解答を得ることができる場合があります。
CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングのマーケティング活用例
CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングを用いた、マーケティングへの活用例を解説します。
例えばWeb広告を配信する際の広告文をCoT(Chain-of-Thought)で出力してみましょう。(GPT4.0を使用)
広告文の出力例
CoT(Chain-of-Thought)プロンプトの例:
五反田にある個室サウナのWeb広告を行うにあたり、広告文を考えてください。
24時間いつでも利用可能であることや価格が安いことをテーマに、3個考えてください。
#手順
1.広告文の目的を整理してください。
2.「1」の目的を達成するために必要な情報を網羅的に整理してください。
3.「2」の情報を元に、広告文を作成してください。
出力文:
広告文の目的整理:
・五反田にある個室サウナの認知度を上げる。
・24時間いつでも利用可能であること、価格の安さを強調し、利用を促す。
・ターゲットとなる顧客(地元住民、ビジネスパーソン、健康やリラクゼーションを求める人々)にアピールする。
必要な情報の整理:
・五反田にある個室サウナの具体的なロケーション。
・24時間利用可能であることの詳細(予約が必要かどうか、24時間オープンの日が限定されているかどうかなど)。
・価格に関する情報(基本料金、割引プラン、キャンペーン情報など)。
・個室サウナの特徴や提供されるサービス(個室の種類、サウナの種類、追加オプションなど)。
・サウナを利用するメリットや健康への影響。
・利用方法や予約方法についての情報。
広告文の作成:
広告文案1: “五反田の心地よい隠れ家で、24時間好きな時にリラックス。私たちの個室サウナはいつでもあなたを待っています。手頃な価格で最高の癒しを、今すぐ体験してください。”
広告文案2: “真夜中でも明け方でも、五反田の私たちの個室サウナでリフレッシュ。24時間オープンで、予算に優しい価格設定。あなたの健康とリラクゼーションを最優先に考えています。”
広告文案3: “五反田で見つけた、24時間開放の個室サウナ。手軽に利用できる安さで、日常を忘れさせる癒しの時間を。いつでも、あなたのペースで楽しめるリラクゼーションを提供します。”
これらの広告文案は、24時間いつでも利用可能であることと価格の手頃さを前面に出しながら、五反田にある個室サウナの魅力を伝えることを目指しています。ターゲット顧客のニーズに合わせて、リラクゼーションと健康への配慮を強調する内容にしています。
上記の通り、出力内容をベースに人がブラッシュアップを行う必要はあるものの、一定のクオリティの広告文は作成が可能です。
提示する手順が複雑すぎると、求めている回答が出力されない可能性はあるので、注意しましょう。
まとめ
CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングの基本やメリット、マーケティングへの活用法について例文を用いながら解説しました。
実際にChatGPTでCoT(Chain-of-Thought)プロンプティングを使用しながら、マーケティングにも活かしてみてください。
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