Midjourneyの商用利用完全ガイド!7つの注意点と推奨プラン
この記事でわかること
- Midjouney商用利用の基本
- Midjouney商用利用のための7つの注意点
- Midjouneyを商用利用する際のおすすめプラン
- Midjouney商用利用開始までの5ステップ
画像生成AI「Midjourney」は、そのクオリティの高さから、ビジネスでの活用に注目が集まっています。しかし、商用利用には特定の条件や注意点があり、適切な理解なしでの利用はリスクを伴う可能性があります。本記事では、Midjourneyの商用利用に必要な基礎知識から、プラン選択のポイント、具体的な活用手順まで、実践的な情報をご紹介します。記事を通じて、安全かつ効果的なMidjourneyの商用利用方法を習得していただけます。
目次
Midjourney商用利用の基本
Midjourneyの商用利用を検討する際には、まず基本的な定義や条件を理解することが重要です。ここでは、商用利用の具体的な範囲と、利用可能なプランについて詳しく解説していきます。
商用利用の定義と範囲
Midjourneyの商用利用とは、生成した画像を用いて金銭的な対価を得ることを指します。具体的には、企業のマーケティング素材としての使用、商品パッケージへの採用、YouTubeのサムネイル作成、NFTとしての販売など、幅広い用途が含まれます。2025年1月時点において、Midjourneyは有料プランのユーザーに対して、基本的に商用利用を許可しています。
この商用利用の範囲は、個人での小規模なビジネスから、大企業での活用まで幅広く認められていますが、後述する条件や制限事項が存在することには注意が必要です。特に重要なのは、すべての商用利用において、利用者が全責任を負うという点です。
商用利用が可能なプラン
Midjourneyの商用利用には、有料プランへの加入が必須条件となっています。提供されている4つのプラン(Basic、Standard、Pro、Mega)は、それぞれ異なる特徴と制限を持っていますが、すべてのプランで基本的な商用利用が可能です。
Midjourneyの利用規約では、下記の通り、定められています。
If You are not a Paid Member, You don’t own the Assets You create. Instead, Midjourney grants You a license to the Assets under the Creative Commons Noncommercial 4.0 Attribution International License (the “Asset License”).
The full text is accessible as of the Effective Date here:
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/legalcode.
有料会員でない場合、あなたが作成したアセット(成果物)の所有権はあなたにはありません。その代わりに、Midjourneyはクリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 4.0 国際ライセンス(「アセットライセンス」)の下で、あなたにライセンスを付与します。発効日時点での完全な条文は、https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/legalcodeでアクセス可能です。
ただし、年間収入が100万ドル(約1.5億円)を超える企業が商用利用を行う場合は、必ずProプランまたはMegaプランへの加入が必要となります。これは、大規模な商業利用に対する特別な要件として設定されています。各プランで利用できる機能や生成可能な画像数には違いがありますが、商用利用の権利自体は共通して付与されています。特筆すべき点として、以前は無料版でも商用利用が可能でしたが、現在ではサービスの健全性維持のため、有料プランのみの提供となっています。
If You are an employee or owner of a company with more than $1,000,000 USD a year in gross revenue and You are using the Services on behalf of Your employer, You must purchase a “Pro” or “Mega” membership for every individual accessing the Services on Your behalf in order to own Assets You create.
あなたが年間総収入100万米ドル以上の企業の従業員または所有者で、雇用主の代理としてサービスを利用している場合、作成したアセットの所有権を得るためには、あなたの代理としてサービスにアクセスする個人全員分の「Pro」または「Mega」メンバーシップを購入する必要があります。
Midjourney商用利用のための7つの注意点
引用:Midjourney Documentation and User Guide
Midjourneyを商用利用する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを理解し、適切に対応することで、トラブルを防ぎ、効果的に活用することができます。以下では、特に重要な7つのポイントについて詳しく解説していきます。
すべての責任が利用者に帰属することを認識する
Midjourneyの利用規約において最も重要な点は、すべての責任が利用者に帰属するという原則です。規約の第一条では、Midjourneyへの依存を避けるよう明確に述べられています。これは、生成された画像やプロンプトを使用することによって生じる可能性のある損害やリスクについて、すべて利用者自身が責任を負うことを意味します。
著作権侵害による訴訟リスクがある
Midjourneyで生成された画像の著作権は非常に複雑な問題です。現時点では、世界的にもAI生成画像に対して全面的な著作権を認める法律は確立されていません。つまり、生成した画像を著作権で完全に保護することは困難である一方、他者の著作権を侵害したとして訴えられるリスクは存在します。
取引先への事前告知の必要性
商用利用において重要な注意点は、取引先への事前告知です。画像生成AIを使用していることは、必ずプロジェクトや取引の開始時点で明確に伝える必要があります。後になって明かすことでトラブルに発展するケースが報告されているため、透明性の確保は必須となります。
具体的な著作物名使用の制限
著作権問題を避けるため、具体的な映画名、俳優名、キャラクター名などの著作物名をプロンプトに使用することは避けるべきです。これらを使用して生成した画像は、著作権侵害のリスクが高まります。代わりに、「青いマントを着た少年」「魔法使いの老人」といった一般的な描写や特徴を用いたプロンプトを使用することをお勧めします。
プランごとの制限事項を理解する
各プランには特有の制限事項があります。BasicプランとStandardプランでは生成速度に制限があり、FastGPUの使用時間も制限されています。Standardプラン以降では、速度制限付きの「Relax GPU」モードで無制限に画像生成が可能となりますが、処理速度は通常より遅くなります。また、年間収入100万ドル以上の企業は必ずProプラン以上を選択する必要があります。
ステルスモードを活用する
ProプランとMegaプランでは、ステルスモードという機能が利用可能です。このモードを使用することで、プロンプトを非公開にし、競合他社からの模倣を防ぐことができます。ただし、規約では「最善の努力を行う」という表現にとどまっており、完全な非公開性は保証されていない点に注意が必要です。
商用利用時の免責事項
商用利用時には、適切な免責事項を用意することが推奨されます。生成画像の使用に関する責任の所在を明確にし、想定されるリスクについて予め関係者間で合意を得ておくことが重要です。また、利用するプラットフォームやサービスが画像生成AIの使用を禁止していないか、事前に確認することも必要です。
Midjourneyを商用利用する際のおすすめプラン
Midjourneyの商用利用を効果的に行うためには、自身のビジネスの規模や目的に合わせて最適なプランを選択することが重要です。ここでは、事業規模別のプラン選びのポイントや、用途に応じた最適なプラン、そしてプランをアップグレードするべきタイミングについて、具体的に解説していきます。
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プロプラン | メガプラン | |
---|---|---|---|---|
月額料金 | $10 | $30 | $60 | $120 |
年額料金 | $96 ($8/月) | $288 ($24/月) | $576 ($48/月) | $1152 ($96/月) |
高速GPU時間 | 3.3時間/月 | 15時間/月 | 30時間/月 | 60時間/月 |
リラックスGPU時間 | – | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
追加GPU時間の購入 | $4/時間 | $4/時間 | $4/時間 | $4/時間 |
ダイレクトメッセージでの単独作業 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
ステルスモード | – | – | ✓ | ✓ |
最大同時ジョブ数 | 3ジョブ 10ジョブまで待機させることは可能 | 3ジョブ 10ジョブまで待機させることは可能 | 12高速ジョブ 3リラックスジョブ 10ジョブまで待機させることは可能 | 12高速ジョブ 3リラックスジョブ 10ジョブまで待機させることは可能 |
画像評価でGPU時間を獲得 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
利用権 | 一般商用利用規約 | 一般商用利用規約 | 一般商用利用規約 | 一般商用利用規約 |
事業規模別の最適なプラン選び
事業規模によって最適なプランは異なります。小規模事業や個人事業主の場合、月間の画像生成数が限られているならBasicプラン(月額10ドル)が適しています。このプランは、月に200枚程度の画像生成が可能で、小規模なプロジェクトや定期的なコンテンツ制作に適しています。
中規模の事業者で定期的に画像を生成する必要がある場合は、Standardプラン(月額30ドル)が推奨されます。このプランでは、Relax GPUモードによる無制限の画像生成が可能となり、コスト効率の高い運用が実現できます。
年間収入100万ドル以上の企業は、必ずProプラン(月額60ドル)もしくはMegaプラン(月額120ドル)を選択する必要があります。これらのプランは、高度なセキュリティ機能や優先的なサポートが含まれており、企業利用に適した機能が揃っています。
用途別おすすめプランの比較
用途によって最適なプランは変わってきます。マーケティング素材の少量制作であればBasicプランで十分ですが、EC事業での商品画像の大量生成にはStandardプラン以上が推奨されます。また、機密性の高い企業プロジェクトではステルスモードが使えるProプラン以上が必要です。
特に重要なのは生成速度の違いです。Basicプランは月15時間のFast GPUが利用可能で、その後は画像生成ができなくなります。一方、Standardプラン以降では、Fast GPU時間を超えた後もRelax GPUモードで継続して画像生成が可能です。プロジェクトの納期や必要な画像数を考慮して選択することが重要です。
プランアップグレードのタイミング
プランのアップグレードは、以下のような状況で検討する必要があります。まず、FastGPUの使用時間が常に上限に達している場合です。これは、業務効率に支障をきたす可能性があるため、上位プランへの移行を検討すべきサインとなります。
また、生成画像の待ち時間が業務効率に影響を与えている場合や、事業の成長に伴って画像生成のニーズが増加している場合も、アップグレードのタイミングとなります。特に、月間の画像生成数が1000枚を超える場合や、複数のチームメンバーが同時に利用する必要がある場合は、StandardプランからProプランへのアップグレードを検討すべきです。
セキュリティ要件の変更や、プロジェクトの機密性が高まった場合も、ステルスモード機能が使えるProプラン以上への移行を考える必要があります。ただし、アップグレード前に現在のプランの機能を最大限活用できているか、運用方法の見直しも合わせて行うことをお勧めします。
Midjourney商用利用開始までの5ステップ
Midjourneyの商用利用を始めるには、いくつかの重要なステップを順番に進めていく必要があります。ここでは、アカウント作成から実際の運用開始まで、5つの具体的なステップに分けて解説していきます。これらのステップを確実に実行することで、安全かつ効果的な商用利用を開始することができます。
Step1:アカウントの作成と本人確認
Midjourneyの商用利用を開始するための最初のステップは、Discordアカウントの作成と本人確認です。Midjourneyは現在、Discordプラットフォームを通じてのみサービスを提供しているため、まずDiscordのアカウントを作成する必要があります。具体的な手順は以下の通りです。
1. Discordのウェブサイトでアカウントを作成
2. メールアドレスの認証を完了
3. Midjourneyの公式サーバーに参加
4. Midjourneyのウェブサイトでアカウント連携を実施
5. 基本的な利用方法の確認とチュートリアルの完了
Step2:適切なプランの選択と契約
事業規模と利用目的に応じて、適切なプランを選択します。選択の際には、以下の要素を慎重に検討する必要があります。
– 月間の予想生成枚数
– FastGPUの必要時間
– ステルスモードの必要性
– 予算と費用対効果
– チーム内での利用人数
特に、年間収入が100万ドルを超える企業の場合は、必ずProプラン以上を選択する必要があります。契約時には、利用規約を熟読し、特に商用利用に関する条項を十分理解することが重要です。
Step3:支払い方法の設定と初回支払い
クレジットカードまたはデビットカードを使用して支払い方法を設定します。この際、以下の点に注意が必要です。
– 支払いは米ドル建てで行われる
– 為替レートの変動により実際の支払額が変わる可能性がある
– 自動更新の設定確認
– 請求サイクルの把握
– 企業の場合は経費処理の方法確認
支払い情報の入力後、初回支払いが完了すると即座にサービスの利用が可能となります。
Step4:利用規約の確認と同意
商用利用に関する具体的な規約を確認します。特に重要なのは以下の項目です。
– 生成された画像の権利関係
– 使用制限事項
– 免責事項
– プライバシーポリシー
– データの取り扱いに関する規定
– 禁止事項と違反時のペナルティ
これらの規約は定期的に更新される可能性があるため、最新の内容を常に確認し、社内でも共有しておくことが重要です。
Step5:ワークスペースの初期設定
効率的な運用のために、ワークスペースの初期設定を行います。具体的には以下の設定を行います。
– プロジェクトフォルダの作成と整理
– プロンプトテンプレートの準備
– 画像保存先の設定
– チーム内での利用ルールの策定
– バックアップ方法の確認
– セキュリティ設定の確認
特に商用利用の場合は、生成した画像の管理と整理が重要となります。プロジェクトごとにフォルダを分け、適切なファイル名を付けるなど、後々の利用に支障が出ないよう、体系的な管理方法を確立しておくことをお勧めします。
Midjourneyの使い方については『Midjourneyの使い方を解説!基本操作やプロンプトのコツ』の記事で詳しく解説しております。
まとめ:Midjourneyの商用利用は条件に注意
引用:https://www.midjourney.com/home
Midjourneyは確かに革新的なツールですが、その活用には適切な理解と準備が欠かせません。本記事で解説した内容を参考に、自社のニーズに合った形での導入を検討してください。また、AIツールの発展は日進月歩であり、利用規約や機能は随時更新される可能性があることにも留意が必要です。定期的な情報のアップデートを心がけ、安全かつ効果的な商用利用を実現していただければと思います。
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