【マーケ担当者必見】Web集客で最も大事なのは「ターゲット設定」である
この記事でわかること
- Web集客で「ターゲット設定」が重要な理由
- ターゲット解像度が低いとWeb集客が失敗する理由
- ターゲットの「インサイト」を把握して集客の成功確率を高める方法
Web集客にはWeb広告、SEO、YouTube…etcと多岐にわたる施策があります。
これら全ての施策において共通する、集客成功の秘訣は「ターゲット設定」です。
この記事では、マーケティング担当者必見の「ターゲット設定」が重要な理由やその設定方法について解説します。
目次
Web集客で「ターゲット設定」が重要な理由
この記事をご覧になっているマーケティング担当者の中には、
「Web集客は色々やってはいるが、なかなか利益拡大につながらない…」
と悩んでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
Web集客が上手くいっていない要因として、Web集客で最も大事な「ターゲット設定」が出来ていない可能性が高いです。
そのようなマーケティング担当者の方向けに、このパートでは以下についてお話していきます。
・ターゲットを明確にすることで、ユーザーに伝えるべきことが初めて分かる
・ターゲットは現実に存在する集団を設定する
ご参考になれば幸いです。
ターゲットを明確にすることで、ユーザーに伝えるべきことが初めて分かる
誰に自社のサービスや商品を買ってほしいかを明確にしないと、その人たちに何をコミュニケーションで伝えるかを決めることができません。
よくラブレターで例えられることが多いですが、日々多くのラブレター(広告やコミュニケーション)を受け取っているユーザーに対して、自社のサービスを誰にどのようなアプローチでどんな内容のラブレターを書けば、顧客になってもらえるでしょうか?
そのためには、自社のサービスや商品を買う相手の興味関心や住んでいる場所、行動特性を明確にする必要があります。
悪いターゲット設定と良いターゲット設定の例をあげてみます。
・悪いターゲット設定例
「30代~40代の美容意識の高い女性」
・良いターゲット設定例
「30代~40代の会社員で、働きながら子育てをしていて時間が無いため、効率よく美しく健康になりたい女性」
悪いターゲット設定例だと、ターゲットの解像度が低いので、プロテインの味を訴求するべきなのか、栄養素を訴求した方が良いのかなど、何を訴求するとターゲットが動くのがが分かりません。
一方で良いターゲット設定例だと、「仕事も子育ても頑張る女性へ」や「楽々手軽に美をキープ」といったように実施すべき訴求が明確になります。
簡単な例で説明しましたが、このようにターゲットを明確に設定することで初めて、ユーザーに何を伝えるかを定めることができます。
ターゲットは現実に存在する集団を設定する
多くのマーケティング担当者が陥る誤りとして、「架空の人物の集団」をターゲット設定してしまうケースがあります。
性別・年齢・職業、趣味や興味関心、行動パターンなどを詳細まで設定した「ペルソナ」を作成することで、顧客理解が深まり、商品やサービスの磨き込みや社内での認識の統一などに活用することができます。
一方で理想的な人物像を追い求めるばかりに、妄想や希望的観測から生まれた設定を付け加えて、架空の人物ができあがってしまう可能性があります。
例えば、自動車は高額商品であるが故に、購入まで比較検討する時間が長くなる商材ですが、
希望的観測を込めすぎると「広告を一回みたらすぐに来店して買ってくれる人」といったような架空のターゲットを生み出してしまいます。
自動車メーカーにとっては嬉しいお客様ですが、残念ながらこの世には存在しません。
「いやいや流石にそこまでは…」と思ったマーケティング担当者の方もいるかと思いますが、希望的観測で作り上げた上記のような架空の人物をターゲット設定してしまっている企業が多いのが事実です。
Web集客の施策は現実に存在する人にアプローチして初めて効果が出るものなので、現実に存在する集団をターゲット設定しましょう。
ターゲットの解像度が低いとWeb集客は失敗する
ここでは私の経験を交えながら、
・ターゲットの解像度が低く、Web広告での集客が失敗した例
・ターゲットの解像度が高いと、Web集客施策の質が向上して成功につながる例
についてお話しします。
ターゲットの解像度が低く、Web広告での集客が失敗した例
筆者はWeb広告の代理店でキャリアを過ごしてきたのですが、業界に入りたての時は「ターゲット設定」の失敗で先輩に怒られたり、Web集客での効果をだせなかったりすることがありました。
とあるコンサル会社のWeb集客の施策を担当した際のことです。
そのコンサル会社が個人や法人向けに世界経済の将来予測レポートを出しており、経営や投資に生かせるサービスだったのですが、購入するユーザーもかなり限られるという状況でした。(詳細はお伝え出来ないので、事実から改変しております。)
そのサービスの購入を目的としたWeb集客を実施する上で、知識・スキルがまだまだ未熟であった私は、ろくに情報収集や競合調査、ユーザー理解をせずに、「経営に生かせるサービスなのだから、とりあえず都内の経営者にアプローチしよう」という安直なターゲット設定をしました。
その結果、Web集客施策の様々な手法をインプットしたばかりで、Howの部分ばかりに目が言っていた私は、どんな手法でアプローチしようということばかりを考えていました。
そして、「都内の経営者」という不明瞭なターゲット設定をもとに、Facebook広告の経営者ターゲティングやGoogleやYahoo!のディスプレイ広告で経営者向けのメディアにバナーを出しつつ、「都内の経営者必見!」といった訴求で広告を配信しました。
その結果、お客様となるコンサル会社の多額のご予算を広告に投下させていただいたのにも関わらず、サービスの購入につながらないといった結果に陥りました。
今となっては分かることですが、成果が出なかった原因の1つとして、私のターゲット設定の解像度があまりにも低すぎたのです。
コンサル会社のマーケティング担当の方には勿論怒られ、追い詰められた私は先輩に相談をしました。
ターゲットの解像度が高いと、Web集客施策の質が向上して成功につながる例
業界の歴が十分に長く、知識・スキルもある先輩はこう言いました。
「ターゲットの解像度が低すぎる、他にターゲットとなり得る集団がないか再考すべき」
そうです。私はWeb集客の手法ばかりに目が行き、本質である「ターゲット設定」をおざなりにしていたのです。
先輩に怒られて反省した私は、
・お客様のコンサル会社に既存顧客のデータや情報をいただき分析
・競合のサービスと比較し、サービスの優位性を洗い出す
・「経営者」以外にサービスを購入してくれる人の集団はいないか
など、ターゲット設定を再度する上で徹底的に情報を収集・分析し、Web集客の戦略を練り直した結果、
「何らかの副業や投資をしてお金稼ぎをしたい、一定の年収があるサラリーマン」
という解像度を上げたターゲットで再設定を行いました。
そのコンサル会社のサービスページに来ている人が良く併用しているサイトを外部ツールで見たときに、副業系のサイトやFIREを目指す系のサイトに訪れていたので、経営者ではなく上記のようなサラリーマンにアプローチすることにしました。
明確になったターゲット設定をもとに、Web集客の施策を再度実施した結果、なんとサービスの多くの購入につながったのです。
失敗と成功を1つの案件を通じて経験したことで、Web集客で成果を出す上での「ターゲット設定」の重要性を痛感しました。
このように「ターゲット設定」の解像度が低いとWeb集客が成功する可能性も低くなり、解像度が高いと成功の確率も高まると考えられます。
ターゲットの「インサイト」を把握して、ターゲットを動かす
ここまでの内容で、「ターゲット設定」がいかにWeb集客で重要かを理解いただけたかと思います。
しかし、明確な「ターゲット設定」が出来たら必ずWeb集客は成功する、というわけではありません。
さらに成功確率を上げるにはターゲットの「インサイト」の把握が重要です。
ここでは、「インサイト」に関連する以下の内容についてお話します。
・「インサイト」と「ニーズ」の違い
・「インサイト」が分かれば、訴求に反映することでターゲットを動かせる
「インサイト」と「ニーズ」の違い
インサイトは、「人の行動の根拠や動機となる潜在的な意識」になります。
似たような言葉に「ニーズ」があります。
大きな違いを述べると、以下の通りです。
「ニーズ」は人が自分で言語化可能な欲求
「インサイト」は自分でも気づけていない、あるいは気づいてはいるが言語化できないあるいは言いたくない欲求
つまり、「インサイト」は潜在的な意識となっているユーザーの本音になります。
よくマーケティング担当者の中には、ユーザーの「ニーズ」をつかむために顧客アンケートを取る方もいらっしゃるかと思います。
アンケートを行えば確かにユーザーが言語化できる「ニーズ」を引き出すことはできますが、ニーズの裏側にあるインサイトに関しては、ユーザー自身も意識・言語化できていないので簡単に答えることはできません。
「インサイト」を把握するのは実際かなりハードルが高いです。
しかし、「インサイト」を正しく把握できればターゲットとなるユーザーを動かすことが可能になります。
「インサイト」が分かれば、訴求に反映することでターゲットを動かせる
「インサイト」が把握できれば、Web集客の成功確率を高めることが可能です。
特にインサイトが施策に反映できるのが、訴求やクリエイティブの部分になります。
インサイトを把握した上で、訴求やクリエイティブを検討することで、ユーザーの心を動かす表現が可能になるのです。
インサイトが反映されたコミュニケーションを受け取ったユーザーが、「たしかに!」と潜在意識下にあった自らの欲求が言語化されたように感じて行動してくれたら、それは良い訴求であると言えるでしょう。
インサイトを活用したことで成果が出た有名な例をあげると、世界的企業のP&Gの有名商品である消臭剤「ファブリーズ」が昔、商品がなかなか売れないという課題を抱えていました。
元々はカーテンのような洗濯しにくい布地製品の消臭用に使ってもらえるように訴求をしていたのですが、顧客インサイトを深堀した結果、既存のユーザーはファブリーズを消臭目的で使用しているのではなく、掃除の際のルーティンとして使用していたことが分かりました。
このことをきっかけに「毎日のルーティンとして使用してもらう」というインサイトを元に戦略を練り直し、訴求やクリエイティブに反映してPDCAを回していった結果、現在に至るまでのファブリーズの成功につながったのです。
参考:東洋経済 データでは「売れない」ファブリーズ大成功の理由
このように、「インサイト」が把握できれば、訴求やクリエイティブに反映することで、Web集客の成功可能性を引き上げることが可能です。
ターゲットを設定し、インサイトを把握する方法
ここまで、「ターゲット設定」の重要性や「インサイト」についてお話してきました。
「重要なのは分かったけど、結局どんな方法でターゲット設定をしてインサイトを把握すればよいのだろう?」
と考えているマーケティング担当者の方がほとんどかと思われます。
最後に、ターゲットを設定し、インサイトを把握する方法についてご説明します。
ターゲットを設定する方法
ターゲット設定は基本的に、
・市場と顧客
・競合の商品やサービス
・自社の商品やサービス
を分析する、3C分析を活用しながら進めていきます。
まずは市場のターゲットのニーズを把握する上で、商品カテゴリを購入するユーザーが何を重視して商品を選ぶのか、検討する動機・きっかけは何か、購入にいたるまでのプロセスはどうかといった情報が必要になります。
具体的には以下のような内容を明らかにしましょう。
・市況やトレンドとその背景
・商品カテゴリを購入する際のユーザーの基本的な行動フロー
・商品の検討や最終的に購買にいたるまでの影響要因
・商品カテゴリの中でシェアを占めている競合やその背景
上記の情報を集める上でWeb上の市場調査データや自社でのアンケート調査などを活用すると良いでしょう。
その次に市場における顧客候補の集団と狙うべきターゲットを明らかにする必要があります。
・自社や競合他社のユーザー像、競合がアプローチしているターゲット
・競合サービスと比較した際の自社サービスの優位性、どの顧客にアプローチすれば刺さるか
・ターゲット候補の抽出とその理由
・ターゲット候補毎に比べた場合の差異
市場にどのような集団がいるのかを調査・分析して、いくつかのターゲット群の内、狙うべきターゲット候補とその理由を明確にする必要があります。
自社の顧客データや分析ツールやユーザーのSNSでの投稿、Web上のユーザーの口コミなども参考になるでしょう。
そして、最後にアプローチすべきターゲットの解像度を上げることが重要です。
ターゲットとなるユーザーが、普段どのようなことを考えて行動しているか、どのようなメディアをみているか、商品を比較検討する際にどんな感情・気持ちの変化があるのかを明らかにします
ターゲットとなるユーザーのペルソナに近い人のSNS投稿や口コミ、インタビューや外部ツールの活用が有効です。
以上のような流れで、自社がアプローチすべきターゲットを明確にしましょう。
インサイトを把握する方法
インサイトは無意識下の顕在化していないユーザーの本音のため、把握するのは難しいです。
グループインタビューやデプスインタビュー、エスノグラフィーなどいくつかの一般的な手法が存在するので、そういった方法を調べて試してみるのも良いでしょう。
大事なのはユーザーの言語化されたニーズやアンケートで得られたユーザーがその商品を利用したくなる理由、一般的な思い込みなどをそのまま鵜呑みにせずに疑ってかかることです。
また、実際に商品やサービスにどっぷり浸かってみて、ユーザーを自身に憑依させることも有効です。
実際私も4年ほど前までサウナを利用したことがなく、「ただ暑いだけでは?」と思っていたのですが、流行っている理由を確かめようと通い詰めた結果、「運動はしたくないけど汗を流したい」「スマホデトックスしたい」というユーザーインサイトがあるということが分かりました。
インサイトの発見は難しいですが、ターゲットの気持ちに寄り添い、かつ意外性や気づきのあるインサイトを見つけ出して、Web集客の施策に反映できれば成功確率は上がると考えております。
まとめ
以上のとおり、繰り返しになりますが、Web集客の集客成功の秘訣は「ターゲット設定」です。
「自社で設定しているターゲットは適切だろうか」
「ターゲットを明確にしないままにWeb集客の施策を実施していないか」
「既存の顧客はどのような人たちなのだろうか」
と少しでも思ったマーケティング担当者の方は、直ぐにでもターゲットの設定を見直しすることを推奨いたします。
株式会社アドカルは主にSEO対策を施した公式サイト制作やWeb広告での集客に強みを持ったマーケティング支援企業です。
「理論は分かったが、ターゲット設定をする上での自社のサービスでの活用方法が分からない」
「ターゲット設定をしっかり行った上で結果の出るWeb集客がしたい」
「ターゲットの設定を一緒に手伝ってほしい」
とお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
貴社のご相談内容に合わせて、ターゲット設定に基づいたWeb集客施策のご提案をさせていただきます。
ぜひお気軽にご相談ください。